既にユーザー数が少ないと思われるWindows Vistaの延長サポートが、2017年4月11日(米国時間、以下同)にひっそりと終了する。過去のOSがサポート終了で消えゆくだけでなく、現在サポート対象にあるOSもまた、最新ハードウェアの登場とともに対応が徐々に縮小される運命だ。そして、Microsoftはユーザーを次世代OSに移行するよう働きかける。
ハードウェアとWindows OSサポートの関係について、Microsoftは2016年1月の段階で「新世代プロセッサにおけるサポート対象OSをWindows 10に限定し、Windows 7/8.1など旧世代OSのサポートは行わない」という方針を明らかにしている。例えば、IntelのKaby Lake(第7世代Core)やAMDのBristol Ridgeでは旧OSのサポートが受けられない。
ちなみにMicrosoftは、2016年にIntelのSkylake(第6世代Core)におけるWindows 7/8.1のサポート期限を2017年7月17日に短縮することを発表したが、各方面からの反発を受けて撤回している。これにより、Skylake搭載PCはWindows 7が2020年1月14日、Windows 8.1が2023年1月10日まで、延長サポートを受けられるようになった。
さて、最近は自作PC市場で新世代プロセッサの注目度が上がっているが、IntelのKaby LakeもAMDのRyzenも、Windows 10より古い世代のWindows 7や8.1を導入しようと考えているならば待った方がいい。Kaby LakeやRyzenはこれら旧Windows OSのサポート対象外であり、Windows 10の導入を促されるからだ。
Microsoftが3月6日に公開したサポート文書によれば、旧Windows OSでWindows Updateを利用しようとした際に、下記のようなメッセージが表示されることがあるという。
サポートされていないハードウェア
お使いのPCはこのバージョンのWindowsでサポートされていないプロセッサを使用しています。更新プログラムは利用できません。
あるいはWindows Updateのウィンドウ上に下記のエラーが出ることがあるようだ。
新しい更新プログラムを検索できませんでした
このコンピューターで利用できる新しい更新プログラムを確認中にエラーが発生しました。
エラー:
コード80240037 Windows Updateで不明なエラーが発生しました。
これらのエラーは新世代プロセッサを搭載したPCで旧OSを実行した際に発生し、サポート対象OSとして継続的に利用するためには、Windows 10が必要になるという。実質的に旧OSのサポート打ち切り策だ。現時点でエラーが発生する対象は、以下の3種類のプロセッサとなる。
興味深いのは、旧OSを動かす余地のないQualcomm 8996が対象に含まれる点だ。これは2017年後半に登場する見込みのARM版Windows 10である「Windows 10 for PC on ARM」を想定したポリシー規定なのかもしれない。
最後に余談だが、Windows Updateに関するポリシー変更では、もう一つ気になることがある。
WinSuperSiteの報告によると、これまでWindows Updateでダウンロードされることがなかった「従量制課金接続(Metered Connection)」について、Windows 10 Insider PreviewのBuild 15058以降は一部重要なアップデートの場合に限り、自動ダウンロードが発生する可能性があるという。
4月初旬に一般公開される見通しのWindows 10次期大型アップデート「Creators Update」での新仕様とみられるが、あらためて検証したい。
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