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» 2016年05月20日 06時00分 公開

新世代ブラウザ戦争 「Edge」登場も「Chrome」はシェア1位へ鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(1/3 ページ)

PC向けWebブラウザで長年シェア1位を守ってきた「IE」だが、ついにその王座を「Chrome」に明け渡した。「Edge」は微増しているが、その影響力はまだ小さい。

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 ここ1〜2年でPC向けWebブラウザの勢力図は変わりつつあったが、ついにその日が訪れた。2016年4月時点でGoogleの「Chrome」が、Microsoftの「Internet Explorer(IE)」を抜いて、世界シェア1位になったのだ。

 1990年代は「Netscape vs. Microsoft」のような構図で「ブラウザ戦争」が騒がれ、それに勝利したIEはバージョン5.xが出た2000年以降、ほぼトップブラウザとしての地位を固め、長らく王者として君臨してきた。しかし、ついにその王座をChromeに明け渡したこととなる。

Chrome GoogleのWebブラウザ「Chrome」

 PC向けブラウザの世界で何が起き、今後どのような影響を与えていくのかについて考えてみたい。

ブラウザのシェアを集計する「NetMarketShare」と「StatCounter」

 Webブラウザのシェアを示す指標としては、世界的に「NetMarketShare」と「StatCounter」の2つが有名だ。面白いことに、両者はブラウザのシェアが大きく異なって集計される点でも知られている。NetMarketShareではIEのシェアが高くなり、一方のStatCounterではChromeのシェアが高くなるという傾向があるのだ。

NetMarketShare_1 2016年4月時点でのPC向けWebブラウザシェア(出典:NetMarketShare)
StatCounter_1 2015年5月〜2016年4月のデスクトップ/タブレット向けWebブラウザシェア推移(出典:StatCounter)

 この差異の理由としては、「NetMarketShareはインストールベースでの影響が反映されやすい」「StatCounterは利用回数が反映されやすい」と言われており、つまりヘビーユーザーが多いWebブラウザほど、StatCounterではシェアが高く出ると考えられる。

 実際、StatCounterは長らくChromeのシェアが過半数を占めており、IEは数あるブラウザの1つという位置付けにすぎない。一方で、NetMarketShareでは長らくIEがトップブラウザの地位に君臨してきたものの、ついに2016年4月の集計データで両者のシェアが逆転した。これにより、ほぼ名実ともにChromeがPC向けブラウザの頂点に到達したと考えられる。

ブラウザ別のシェアを細かくチェックする

 もう少しデータを掘り下げて、この背景を探ってみる。

 NetMarketShareとStatCounterともに、「ブラウザ別」にシェアを集計すると、同系の全てのバージョンのブラウザが合算される。IEの場合はEdgeも含めて「IE系」ということで集計されるため、ここで出現するIEのシェアは「IE+Edge」の合算になる。

 このうち、NetMarketShareの最新ブラウザシェアをバージョンごとに分割してみると、まだIE11がChrome 49を小差でかわしてトップとなっている。バージョンごとのシェア集計では、バージョンの更新頻度が低いIE系のブラウザが有利だ。逆にバージョンの更新頻度が高いChromeは多くのバージョンが「その他」に埋没してしまっている。

NetMarketShare_2 2016年4月時点でのPC向けWebブラウザのバージョン別シェア(出典:NetMarketShare)

 次に、NetMarketShareにおけるブラウザシェアの推移を見てみる。2014年5月から2016年4月までの2年間のデータだが、IEは漸減傾向にあり、Chromeは少しずつシェアを伸ばしている。グラフを見る限り、IEがシェアを減らし始めたのは1年半ほど前の2015年初頭からで、2016年に入りその傾向が顕著になった。過去1年半ほどが過渡期にあったと考えられる。

NetMarketShare_3 2014年5月〜2016年4月のPC向けWebブラウザシェア推移(出典:NetMarketShare)

 今度はNetMarketShareでのトレンド変化をバージョン別に見てみる。実は、IE11は微減しているものの、シェアは25%前後から大きく変化していない。IE11よりシェアが低いIE8やIE9も同様に漸減しているが、こうした減少分はEdgeの上昇にあまり結びついていないと考えられる。

 実際このグラフでは「Other(その他)」にEdgeのシェアが含まれているとみられるが、少なくともIE9のシェアを超える水準ではないため、グラフに単体の項目としては出現していない。

NetMarketShare_4 2014年5月〜2016年4月のPC向けWebブラウザのバージョン別シェア推移(出典:NetMarketShare)

 このほか、Chrome 48は2カ月程度でChrome 49とシェアの数字が完全に入れ替わっており、「Chromeは最新バージョンにすぐ切り替えるユーザーが多い」という傾向も分かる(更新頻度が高いので、旧バージョンのユーザーも分散しているが)。

 以上から読み取れるのは、「IEの旧バージョンのユーザーはどんどん減少しているが、これがChromeなど他のブラウザに流れている」という可能性だ。

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