前回まで、Windows 8のスタート画面およびWindows RTで動作する「定番のWindows ストアアプリ」を“改めて”紹介してきた。Windowsストアアプリは、これまでのWindows搭載PCで動作させていたx86/x64対応ソフトウェアとは別のもの──と考えるとひとまず理解しやすいアプリケーションだ。また、Windows RTでは前述したx86/x64対応ソフトウェアは動作しない。Windows RTマシン用アプリケーションは、(プリインストールものを除き)基本的にはWindowsストアでのみ入手できる。
では「Windowsストアで配信されているアプリは、絶対にWindows RTでも動作するのか」。答えは明確に「ノー」だ。
Windowsストアアプリの開発者は「x86」「x64」「ARM」、3つのターゲットプラットフォームのいずれか、またはすべてを自由に選び、対応アプリをWindowsストアに登録できる。一応、2013年4月現在、筆者は特定のプラットフォームのみをサポートしたWindowsストアアプリは確認しておらず、前回まで紹介してきた定番アプリもすべて3プラットフォーム対応なのではあるが。
では、どういったアプリで特定のプラットフォーム、特に「ARM」をサポートしないものが可能性として考えられるだろうか。
アプリ開発の話になるが、Windows 8ではさまざまな開発言語をサポートしており、開発者自身が自由に言語を選択できる。ただしコンパイラの仕様の関係で、「C#」で開発するならx86、x64、ARM、それぞれのプラットフォームに対応したバイナリコードを一度に生成できるが、「C++」を選択した場合はプラットフォームごとにプログラムコードの記述が必要になる。つまり「高度な動作を要求されるアプリ」あるいは「専用の(物理的な)インタフェースを持つアプリ」といったものにおいて、いずれかのプラットフォーム──たいていはARMが非サポートとなる可能性がある。
例えば海外のエンジニア向けQAコミュニティサイト「Stack Overflow」で話題に上っている動画再生プレーヤーなどは専用のデコーダを記述する必要があるため、その範ちゅうに含まれるとみられる。
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