XPサポート終了、あなたにも影響するかもしれない“見落とされがち”なリスク:鈴木淳也の「まとめて覚える! Windows 8.1」

» 2014年03月11日 15時31分 公開
[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]
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国単位で「Windows+Internet Explorer+ActiveX依存」のケース

 前回は、個人ユーザーのXP環境について、Windows 7環境へ移行を済ませた企業も場合によって影響があるかもしれないという事例を紹介した。今回はもっと危機的な話題を深掘りしよう。

 2014年1月、韓国・ソウル在住の米国籍の友人が興味深い内容をFacebookに投稿しているのをみかけて驚いた。それによれば「同国で納税するには、WindowsとInternet Explorerを用意したうえで、政府から配布されているActiveXコントロールをインストールする必要がある」のだという。作業・インストール自体はほぼ自動で終わるので手間こそかからないが、WindowsとInternet ExplorerとActiveXという、特定の環境に極端に依存したシステムを国レベルで使用するよう推奨しているというわけだ。

 ご存じのように、Webトレンドの変化やユーザーのマルチデバイス/マルチスクリーン化が進んでいる事情などもふまえ、昨今は環境に依存するプラグインを可能な限り排除し、開発者は多くのデバイスで動作するよう工夫してアプリケーション/コードを記述する傾向になってきている。Adobe Flash Playerでさえその動作が限定されることも多々見受けられる(例えば、Mac OS Xのデフォルト設定はオフになっている。iOS/Androidタブレットでは完全なサポートを行わない例も目立つ)。

 Microsoftが提供するSilverlightプラグインもそう。サポートこそ継続しているがWindows 8/8.1のModern UI版Internet Explorerでは動作しない。これはActiveXも同様だ。Modern UI版IEはともかく、デスクトップUI版IEにおいてもセキュリティのカスタム設定が必要になるなどの背景から、ActiveXは今後さらに縮小の方向にあるといえる。こうした状況下では、ActiveXやInternet Explorerに依存する業務システムなども、Windows XPサポート終了とともにかなり厳しい立場に置かれることが予想される。

 もう1つ興味深い話題を紹介する。「ZDNet:South Koreans use Internet Explorer: It's the law」という記事。内容は、アジア地域で2013年10月時点でもっとも利用されているWebブラウザのバージョンを国ごとに色分けしたものだ。

photo アジア地域で使用されているブラウザ/バージョンのシェア(出展:ZDNet)

 記事によれば、多くのアジア諸国では比較的新しいバージョンを導入しているが、中国と韓国は旧バージョンであるIE 8の利用比率が高く、特に韓国のそれは際立っている。Internet Explorerの最新バージョンは11(2014年3月現在)だが、IE 8はWindows XPで利用できるという条件下の最新バージョンである。このことから、これら2国は相当数のWindows XPユーザーが存在するというのだ。

 もっとも、韓国のケースでいえば実際のWindows XP利用者のシェア(22.39%)よりIE 8のシェア(36.11%)のほうがかなり高いので、IEを古いバージョンで維持せざるを得ない何か別の理由があると推測される。1つ言えるのは、同国ではオンラインユーザーの識別など公共システムや電子商取引の利用でActiveXを用いることを国が法律で定めており、この影響が少なからずあると考えられる。前述したように最新の環境ではActiveXの利用が推奨されないため、この国単位のレガシーシステムが足かせとなる可能性は高いはずだ。参考までに、2014年2月に開催された国際展示会Mobile World Congress 2014で、Microsoftは2014年春過ぎの提供を予定するWindows 8.1のアップデート版「Windows 8.1 Update 1(仮称)」で、Internet Explrer 11に「Internet Explorer 8の互換性モード」を追加する計画を示している。

 こうした課題もあり、一部では間もなくサポートが終了するWindows XPの代わりにUbuntu(Debian GNU/LinuxベースのOS。Linuxディストリビューションの1種)への乗り換えを模索しているという話も出ている(BusinessKorea:Alternative to Windows XP Ubuntu Emerges as Free Alternative Operating System to Windows)。これは官公庁での業務システム乗り換えに関する話題のようだが、極端なベンダーロックインの状況から、サポート終了を機に一気にシステム見直しを図る例といえるかもしれない。

 (続く)

 次回は、もっと身近な“間接的被害”があるかもしれない事例を取り上げます。


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