大きな話題を集めたMicrosoftの「Office for iPad」公開。これを意外に思うかもしれないが、実はMicrosoftは以前からiOS/Android向けのアプリを多数投入しており、自社のオンラインサービスとスマートデバイスの連携をいろいろ模索している様子が伺える。今回はその現状を簡単にまとめてみよう。
AppleのApp Storeを見ると分かるが、Microsoftはスマートデバイス向けに大枠で3種類のカテゴリのアプリを提供している。1つはゲームや音楽プレーヤーなど「Xbox」系サービスに関するもの、2つめは主にMicrosoft Researchなどが実験的にリリースしているアプリで「Photosynth」をはじめとして実験的なもの、3つめはビジネスやツールなど実務的なものが中心だ。
いわゆるOffice製品などは、3つめのカテゴリに属する。ビジネス向けツールには「Dynamics」や「Intune」など一般ユーザーがあまり使わないものも含まれるが、使い方次第では便利なものもある。この辺りをいくつかピックアップしてみた。
従来まで「Office Mobile for Office 365 Subscribers」とOffice 365契約ユーザー専用アプリだったものが、Office for iPad提供のタイミングで誰でも無料で利用可能になった(ただし、ホームユース限定)。スマートフォン向けのアプリとなっており、Android版は原稿執筆時点でスクリーンサイズによってインストール制限を受ける。
Android版とiPhone版がそれぞれGoogle PlayとApp Storeで提供されているが、Windows Phone版については製品にプリインストールされており、さすがMicrosoft製品といった印象を受ける。
基本的にはMicrosoftアカウントさえ入力すれば、OneDrive経由でファイルの保存や参照が可能で、Word、Excel、PowerPointファイルの簡単な編集や修正が行える。企業ユーザーであれば、Office 365やSharePointとの連携も可能だ。
Office Mobileのファミリーに属するが、別のアプリとして用意されている。テキストからあらゆる種類のマルチメディアデータまで1つの“オンラインノート”上に記録できるPCデスクトップ版のOneNoteに比べ、Modern UI版OneNoteやスマートフォン向けのOneNote Mobileは機能が限定的だ。あくまで簡単なメモと内容の確認程度にしか利用できないのは惜しい。
Office Mobile同様にAndroid版とiPhone版が用意されているほか、iPad専用版も用意されている。Windows Phone版については、やはりプリインストールとなっている。
Windows 8/8.1などでは標準で提供されている「OneDrive(旧SkyDrive)」にアクセスするためのアプリだ。OneDrive上のファイルの閲覧や編集のほか、ローカルのカメラフォルダにある画像を自動アップロードしたり、といった機能が利用できる。
Android版とiPhone/iPad共通のiOS版が提供されているほか、こちらはWindows Phone版アプリも別途提供されている。Windows Phoneの場合、標準アプリのデフォルトの参照先がOneDriveとなっていたり(“フォト”アプリなど)、あくまで編集補助機能のような役割となっている。
なお、AndroidとiOSともに「OneDrive for Buisness(旧SkyDrive Pro)」というアプリも提供されているが、こちらは企業でOffice 365を利用するユーザーがSharePointへアクセスするためのものなので混同しないように。
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