他のWindowsマシンにリモートデスクトップ接続するためのクライアントアプリだ。通常は同じネットワーク内にあるPC同士での接続に用いるが、ファイアウォールの設定次第ではインターネット越しに遠隔からPCを制御することもできる。例えば出先でPCのローカルファイルが必要になったときなど、リモートデスクトップを使って取り出すことが可能だ。
クラウド時代はファイルの自動同期も当たり前なので、以前に比べるとこういったシチュエーションは減ったが、リモートアクセスは使い方次第でいろいろ便利だ。ただしスマートフォンの場合、デスクトップの全画面が小さいディスプレイにそのまま表示されるので、文字が判別しづらい難点がある。そのため、実際にはiPadなどタブレット製品を活用したほうが画面サイズ的にはいいだろう。
Remote DesktopはAndroid版のほか、iOS版が提供されている。どちらもスマートフォン/タブレット共用アプリなので、なるべく大きい画面のほうが使いやすい。
なお、このMicrosoft純正Remote Desktopアプリのみ、Windows Phoneアプリが提供されていない。報道によれば、2013年末ごろから提供計画があるとの話が出ているものの、画面サイズがより大きなWindows RTやWindows 8.1タブレットで純正Remote Desktopアプリが提供されているわけで、あえてWindows Phoneでアクセスする理由は少ないかもしれない。
Remote Desktopの応用例としては、Flash PlayerのサポートされていないAndroidやiOSデバイス上でブラウザゲーム(「艦隊これくしょん〜艦これ〜」など)を楽しんだり、Amazon WorkSpacesのようなクラウド型デスクトップサービスを使うことで、手元でWindowsデバイスなしにデスクトップアプリケーションを利用したりと、いろいろアイデアは膨らむ。
Windows PhoneにRemote Desktopがないから……というわけでもないが、同プラットフォーム向けに面白い専用アプリが最近になりリリースされたので紹介したい。「Office Lens」は位置付け的には「OneNoteの補助アプリ」となっているが、カメラで撮影したホワイトボードや看板、名刺といった写真を自動認識して、読みやすい形で自動的に画像を変形(ストレッチ)してくれるというものだ。
例えば、会議記録やちょっとしたメモ代わりに名刺を写真に撮った場合など、撮影位置によっては斜めになった状態で記録が残ることになる。ところがOffice Lensを通すと、これが自動的に長方形の平面画像へと修正され、後から簡単に参照できるというわけだ。100%の精度というわけではないが、いろいろ使ってみてWindows Phone以外のデバイスでもぜひ利用してみたいと思ったほどだ。
いろいろアプリストアを検索していると分かるが、Microsoftの提供するスマートデバイス向けアプリは上記の定番もののほか、Office Lensみたいに驚くような面白い技術を搭載したものまで、意外と幅広く用意されている。
今後、同社がWindowsだけにこだわらず、「サービス&デバイス」戦略に注力していくのであれば、もっといろいろアイデアが盛り込まれた面白いアプリが登場してくるのかもしれない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.