2018年4月に配信が始まる見込みのWindows 10次期大型アップデートは、「Redstone 4(RS4、1803)」の開発コード名で呼ばれ、最近では「Spring Creators Update」の名称がうわさされている。
そのRS4だが、いよいよ完成のとき、一昔前のWindows OSでいえば「RTM(Release To Manufacturing)」の時期が到来したようだ。
米Microsoftは3月27日(現地時間)、Windows Insider ProgramのFast Ringユーザー向けにWindows 10 Insider Previewの「Build 17133」の配信を開始した。これが事実上のRS4に相当するビルドになると考えられる。
理由は幾つかある。Build 17133ではデスクトップ画面右下の「rs4_release」とビルド番号のいわゆる「ウオーターマーク」が消えていること(ウオーターマーク自体は3月23日配信の「Build 17128」から既に消えていた)、そして同ビルドではバグ修正のみの報告となっていることから、ファイナライズに向けた動きは鮮明だ。
最新のWindows 10ビルド番号を掲載するサイト「BuildFeed」においても、RS4の最新ビルドはBuild 17133で止まっており、内部ビルド(Canary)に相当するWindows Insider Program向けより先行したビルドは出現していない。
恐らく近日中に正式なアナウンスがあるとみられるが、これが最終的なRS4だと考えて問題ないだろう。筆者の予想では17120台後半から17130までと考えていたRS4のビルド番号だが、最終的に若干はみ出る形でリリースされそうだ。
なお、完全なファイナライズにはまだ若干時間が掛かるようで、アプリ開発に必要なSDK Insider Previewは、Build 17133のFast Ring向け配信と同日に提供された「Build 17125」が最新であり、ISOファイルについても同日に提供が始まった「Build 17127」が最新だ。
最終版とみられるWindows 10 Insider PreviewのBuild 17133についても、まだマイナバージョンが若干上がる可能性があり、一般の提供開始は4月後半になりそうだ。
Windows Mixed Reality(MR)に対応したWindows 10搭載の透過型ヘッドマウントディスプレイ(HMD)デバイス「Microsoft HoloLens」が、北米でリリースされたのは2016年3月のことだった。2017年1月には日本での出荷も始まり、さまざまな場面での活用やアプリケーション開発が進んでいる。
HoloLensについてはAIコプロセッサ「HPU(Holographic Processing Unit) 2.0」を搭載した「バージョン2」が開発中とのうわさがあるが、少なくとも2018年末から2019年までは登場しないというのが大方の予想だ。
このHoloLens向けに久々の大型アップデートが登場し、開発者たちを沸かせている。米Microsoftは3月26日(現地時間)、「HoloLens RS4 Preview」の提供開始を発表した。
RS4の名称から分かるように、これはHoloLensで動作するWindows 10(「Windows Holographic OS」とも呼ばれる)のRedstone 4相当ビルドであり、開発者がプレビューとして試せるものだ。
同件を報じた米Windows Centralによれば、HoloLens向けでは2016年のリリース後に提供された「Anniversary Update(1607)」相当のビルドが現時点まで最新で、実に1年半以上ぶりの大規模なアップデートとなる。
導入方法については、PC版のWindows 10 Insider Previewと異なり、HoloLensの設定画面でInsider Previewを受け入れる設定を「オプトイン」した後、Windows Device Recovery Tool(WDRT)を使ってOSイメージをPC側から書き換えて利用する形となる。
アップデート内容の詳細についてはMicrosoftの公式文書が詳しいが、全体に動作が軽快になり、空間マッピングのメッシュ描画性能が向上するなど、基本的なパフォーマンスが上昇しているようだ。
この他、MTP(Media Transfer Protocol)への対応やFile Explorerの実装など、ファイルの転送等でこれまで“一手間”掛かっていたような作業がシンプルになるため、開発者にとっては使い勝手が高まったといえる。
ここで開発したアプリケーションは今後登場する「バージョン2」や「一般向けバージョン」のHoloLensでも活用が可能だと思われるため、是非これを機会に面白いソリューションが現れてほしいところだ。
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