「Windows 10」が一般公開された7月29日、筆者は米ワシントン州レドモンドにあるMicrosoft本社を訪れていた。本社がWindows 10の公開時にそれほどお祭り騒ぎになっていなかったのは、以前の記事でお伝えした通りだ。
しかし、世界的には記念すべき日に多数のイベントが催されていた。タイムゾーン的に最も早い公開となるオーストラリアのシドニーを筆頭に、ロンドンやニューヨークと、さまざまな都市でWindows 10公開イベントが開催されたのだ。日本では大規模なイベントは実施されなかったが、Windows Insider Program参加者を中心にファンイベントが都内で行われた。
この日、米Microsoftのサティア・ナデラCEOは本社ではなく、ケニアの首都ナイロビで開かれたイベントに出席し、同国でのテレビ放送周波数帯のホワイトスペースを使った低価格無線インターネット接続サービスなど、ITインフラの現状を報告していた。その背景は2日後にシアトルで開催された「Imagine Cup 2015 World Championship」(世界最大規模の学生向けITコンテスト)のステージで同氏が登壇して説明している。
サティア・ナデラCEOの今回の動きは、Windows 10そのものよりも「MicrosoftがITインフラの整備にあたって、地域コミュニティとどのように関わっているかを重視していること」の現れだと考えている。
一方、Windows 10の開発責任者である同社Windows&デバイス担当上級副社長のテリー・マイヤーソン氏は、本社キャンパスのあるレドモンドの隣に位置するベルビュー(Bellevue)市内のMicrosoft Store店舗において、7月29日に自ら臨時スタッフとして客を出迎えていた。
残念ながら筆者は時間がなくて顔を出せなかったが、Windows 10の開発責任者が自ら店員として客を出迎えるという構図はありそうでなかなかなく、面白いサプライズ演出と言える。
日本では未展開のMicrosoft Store(Microsoft直営のリアル店舗)だが、米国では既に100店舗以上(モール等の広場に出店する出張店舗も含む)あり、カナダとプエルトリコに10店舗と、主要都市の多くをカバーしつつある。
このうち、シアトルのPacific Place店へ7月31日に顔を出してみると、ディスプレイはWindows 10一色となっており、取り扱っているPC製品も全てWindows 10プリインストールモデルとなっていた。Microsoft純正の「Surface 3」や「Surface Pro 3」はもちろん、OEMメーカーのPCもWindows 10搭載機が販売されており、日本より早くWindows 10プリインストールモデルを入手できる状況だ。
ここでの注目はWindows 10のパッケージ版だ。日本ではまだDSP版のみの提供となっているが、米国では「Windows 10 Pro」が199.99ドル、「Windows 10 Home」が119.99ドルの価格で販売されている。提供メディアはDVDではなくUSB 3.0対応のUSBメモリで、32ビットと64ビットの両バージョンが含まれている。
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