完成間近と予想されていたWindows 10の次期大型アップデート「October 2018 Update(RS5)」が、ついに「RTM(Release To Manufacturing)」の状態に入ったことを複数の海外メディアが報じている。つまり、October 2018 Updateの正式リリース版が完成したということだ。
一部では「10月2日に正式リリース」との予想まで出ており、難産で4月末の一般公開にギリギリ間に合わせた現行のWindows 10大型アップデート「April 2018 Update」に比べると、一般ユーザーへスムーズに届けられることになりそうだ。
Windows 10の開発状況については、Microsoftのユーザー参加型開発プログラム「Windows Insider Program」で配信されるプレビュー版「Windows 10 Insider Preview」の更新内容から把握できる。
9月27日午後1時(日本時間)の段階で、October 2018 Updateに相当するWindows 10 Insider Previewの最新ビルド(バージョン)は、9月18日(米国時間)に提供が始まった「Build 17763」だ。新機能は追加されず、細かな不具合の修正がアップデート内容となっている。Build 17763以前は数日おきにビルドを更新していたのだが、ここで更新がピタリと止まった状況だ。
また、Windows 10 Insider Previewとして配信される前段階のMicrosoft内部ビルドまで紹介しているBuildfeedのような第三者の情報サイトを見ても、これより新しいビルドは確認されていない。
米Windows Centralのザック・ボーデン氏によると、複数の関係者が「MicrosoftがBuild 17763を内部的にRTMとして決定した」と話しているとのことで、よほど致命的な問題がない限り、このBuild 17763がOctober 2018 Updateとして一般公開されるだろう。
この動きを受けたのか、9月25日(米国時間)には「Windows 10 SDK Preview Build 17763」の配信が始まった。これはBuild 17763以降のWindows 10のアプリ開発に必要なSDKで、デベロッパーらはこのSDKをベースにアプリを構築することになる。
また同日にはBuild 17763のISOイメージも配信が始まり、Windows Updateなしで最新ビルドを導入することも可能になった。Windows Insider ProgramのRelease Preview向け最新ビルド(製品版同様のビルドを一般ユーザー向け配信より前にテストする目的のビルド)は配信されていないが、開発者向けの下準備はほぼ整いつつある。
さらに、未確認情報ではあるものの、「10月2日」がリリース日として浮上している。同件を報じているインドのWindows Latestによれば、Build 17763のESDファイル(ダウンロード用のインストールメディア情報を記録したもの)が発掘され、ここに「20181002 RS5 RTM>」というタグの記述が見つかったという。この「2018年10月2日」という日付がRS5ことOctober 2018 Updateのリリース日として考えられる。
ちなみに、10月2日といえば米ニューヨークで新型「Surface」の発表イベントが予告されており、この場でジョー・ベルフィオーレ氏などが登壇して、Windows 10大型アップデートの一般公開も発表する可能性がある。
もっとも、仮に10月2日に一般公開されたとしても、同日にWindows Updateを介して全てのユーザーがアップデートを実施できるわけではない。実際の配信開始はもう少し後になることも考えられる他、MicrosoftのRolling Updateというシステムにより「全てのユーザーが同時にアップデート配信を利用可能になるわけではない(順番に利用可能になる)」という点に注意したい。
なお、MicrosoftはITプロフェッショナルや開発者らを対象にした年次イベント「Microsoft Ignite 2018」を米フロリダ州オーランドで9月24日に開催し、Windows 10が稼働するデバイスの総数がついに7億台の大台に乗ったことを発表した。2017年11月に6億台に到達したという発表があったので、約10カ月で1億台を積み増したことになる。
ちなみに、MicrosoftはWindows 10をリリースした2015年夏に、「Windows 10が稼働するデバイス」を3年間で「10億台」にするという目標を掲げていたが、戦略の一端を担っていたWindows 10 Mobileの終息など戦略変更もあり、当初掲げた目標には届いていない。
ただし、2020年1月14日にはWindows 7の延長サポートが終了する予定で、今後は主に企業ユーザーのWindows 10への移行が加速することが予想される。それに応じて、稼働台数の上昇ペースももう少し加速するかもしれない。
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