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» 2017年05月01日 06時00分 公開

Azure好調で増収増益のMicrosoftが抱える課題鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(1/2 ページ)

米Microsoftの2017年1〜3月期決算は、Office 365とAzureの好調を受けて増収増益。新モデルの投入が遅れているSurfaceの売上高は26%減だった。

 米Microsoftは、同社会計年度で2017年度第3四半期(1〜3月期)の決算を発表した。今回はこの決算内容を読み解きつつ、現在同社とWindowsに起きつつある変化を見ていく。

Microsoft 米ワシントン州レドモンドの米Microsoftキャンパス

3部門の決算推移を読み解く

 同社が4月27日(現地時間)に発表した2017年度第3四半期の売上高(GAAPベース)は、前年同期比8%増の220億9000万ドル、純利益(GAAPベース)は28%増の48億100万ドルと増収増益だった。

 現在、同社は3つの事業部制を採用している。1つ目の「Productivity and Business Processes」部門が「Office」「Dynamics」といった生産性ツール製品群、2つ目の「Intelligent Cloud」部門が「Windows Server」「Visual Studio」「Azure」といったサーバ・クラウドOSや開発ツール群、そして3つ目の「More Personal Computing」部門が「Windows」「Surface」「Xbox」「アクセサリー」といったWindows OSやコンシューマー製品群を扱う。

 各事業の売上高(Revenue)と営業利益(Operating Income)を見ると、Office 365とAzureの好調を受けて前者2つは売上を伸ばしているが、コンシューマー部門は売上を減らしている。

Revenue 米Microsoftの2017年度第3四半期(1〜3月期)決算における事業部ごとの売上と営業利益

 More Personal Computing部門におけるWindowsの売上高は好調で、前年同期比で4%増だった。OEMメーカーへのライセンスによる収入は、「Windows Pro」と呼ばれる上位エディションが5%増なのに対し、Proに該当しない下位エディションは1%減となっている。これはPC販売の中でも高性能な上位版を求めるユーザーが多かったことを示している。

 ライセンスを直に販売する形態、つまり企業ユーザーなどへのWindowsのボリュームライセンス販売はさらに6%増と、現在のWindows事業はこうしたコアユーザーや企業向け需要が主にけん引していることが分かる。同部門に含まれる検索広告事業の売上高は5%増、Xboxのゲーム事業は主にソフトウェアやサービス売り上げの伸びで4%増となるなど、全体にソフトウェアやサービスにおける好調が支えている構図だ。

 一方で、ハードウェア事業であるSurfaceの売上高は2億8500万ドルの減少で26%の大幅ダウンとなった。2015年末には「Surface Pro 4」「Surface Book」といった新製品が投入され、2016年1〜3月期においてもこれら新製品が人気を博していた。だが2016年末はデスクトップPCの「Surface Studio」のみが投入され、ノートPCやタブレットPCの新製品がない状態だった。

 Surface Studioは魅力的な製品ではあるものの、市場に出回っている台数は非常に少なく、いまだ海外展開が進んでいない。さらにSurface Proなどの製品と比べてももう1〜2段階ほど高価であり、購入するユーザーを選ぶ傾向がある。もちろん、デスクトップPCということで設置スペースの問題もあるだろう。

 今春の登場が期待されていた「Surface Pro 5」の登場は、もうしばらく先になることが見込まれる。まだしばらくは復調に時間がかかるだろう。

 興味深いのは、Productivity and Business ProcessesとIntelligent Cloudの2つの部門が売上高を大幅に伸ばす一方で、営業利益は前者が前年同期比7%のマイナス、後者が微増(表のデータでは「0%」)となっていることだ。

 Microsoftが買収を完了させたプロフェッショナル向けソーシャルネットワークのLinkedInは、実はProductivity and Business Processes部門に含まれているが、同事業の追加は売り上げを増加させる一方でコスト増の要因にもなっており、これが結果として営業利益の減少につながっている。

 Intelligent Cloud部門はAzureが好調なものの、同時にAzureへの研究開発や設備投資負担が大きいほか、マーケティングコストがかさんでいるなど、ライバルである米Amazon.comによるAWSとの競合もあり、収奪期に入るにはまだ時間がかかるだろう。

 一方で、More Personal Computing部門の営業利益は20%増となっており、この原因が「(コスト負担の大きい)Surfaceの売上減少」にあるというから皮肉と言える。

 もともとハードウェア事業は設備投資や在庫負担もあり、巨大な売り上げに対して利益率が低い傾向があるが、ソフトウェア企業としてスタートしたMicrosoftにとってのハードウェア事業が今後どのように同社に影響を与えていくのかに注目したい。

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