日本でも「Windows 10 Mobile」搭載スマートフォンを入手したユーザー、あるいは購入を検討しているユーザーは少なくないだろう。ただ、Windows 10 Mobileについて1点気になるトラブルがインターネット上で報告されている。
このトラブルは、Windows関係の最新事情に詳しいポール・サーロット氏が自身のサイトで報告しているものだ。Windows 10 MobileをWi-Fiが利用可能な環境で運用しているにもかかわらず、携帯電話網のネットワークでデータ通信を行ってしまい、結果として意図しないデータ通信料が発生してしまうというトラブルを、多数の読者が報告しているという。
同氏の説明によれば、問題はWindows Insider Programで配信されている開発プレビュー版「Windows 10 Mobile Insider Preview」の一般非公開ビルドではなく、製品版のWindows 10 Mobileで生じているようだ。
原稿執筆時点では、まだ既存のWindows Phone 8.1ユーザー向けにWindows 10 MobileのOTA配信は始まっておらず、製品版としてのWindows 10 Mobileの入手はプリインストールモデルのスマートフォンを入手した場合に限られる。そのため、ユーザーの影響範囲はまだ限定的だが、これから入手するユーザーも含めて、運用には気を付けるべきだろう。
なお、サーロット氏自身は「Lumia 950」を自宅でWi-Fi中心に使い続けているが、現時点でこのトラブルを直接確認できていないという。従って、この情報は実際にトラブルに直面しているユーザーからの報告をベースにしているとみられる。
この問題は米ソーシャルニュースサイトのreddit上で議論されており、スレッドの元のタイトルは「[HELP] "System" is eating my data plan and I don't know how to stop it」となっている。
同スレッドに書かれたのは、Windows 10 Mobile Insider Previewを導入した「Lumia 830」で、「System」と呼ばれるプロセスが定期的にデータ通信を繰り返し、ユーザーが利用しているAT&Tのネットワーク上限となる4GBのリミットをあっという間に食い尽くしてしまうという問題だ。
これは前述のように、Wi-Fiに接続しているはずにもかかわらず、携帯電話網のネットワーク通信を使ってしまうという現象ではない。また、このユーザーはWindows 10 Mobile Insider Previewを利用しているので、製品版のWindows 10 Mobileで生じているというトラブルの対象には該当しない。しかし、ここから議論が深まる中で似たようなトラブルの報告が相次ぎ、冒頭の問題が明らかになったようだ。
サーロット氏は、Microsoft関係者とみられる人物のアドバイスを紹介しており、「アプリのバックアップ」と「メッセージ同期」の2つの機能をオフにすることを推奨している。設定アプリ内の「更新とセキュリティ」の項目を開き、「バックアップ」から「その他のオプション」を選択すると、前述のインストールされたアプリ群のバックアップの有無をそれぞれ設定可能になるので、自動バックアップ機能そのものをオフにしておく。
一方の「メッセージ同期」については、「メッセージング」アプリ内の設定メニューでデバイス間のメッセージ同期の有無が変更できるので、これもオフにする。
各項目を見る限り、どの機能もOneDriveを介した同期やバックアップとなっていることが分かる。なぜWi-Fi環境下においても、Wi-Fiではなく携帯電話網のネットワークが優先されてるのかは不明だが、今回のような自動バックアップ機能は便利な半面、定期的に実行されると、Wi-Fi接続がない状況においてもデータ通信容量をバックエンドで消費し続ける可能性があり、注意したいところだ。
Microsoft側でもトラブルの存在を認識しているようなので、対策されるまではこの設定をした状態で運用するのがいいかもしれない。
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