「Windows 10 Mobile」の目玉機能として注目されているのが、スマホを超小型PCのように扱える「Continuum for Phones」だ。この機能により、Windows 10 Mobile搭載スマートフォンに外部ディスプレイやキーボード、マウスを接続すると、スマホ用アプリをまるでPC用アプリのように利用できる。
ただし、Continuum for Phonesを利用するには、アプリが同機能に対応したUniversal Windows Platform(UWP)アプリであること、そしてスマートフォンのハードウェア側のサポートも必要だ。
これまでハードウェア側のサポートについては不明な点もあったが、11月30日にトリニティがWindows 10 Mobile搭載スマホ「NuAns NEO(ニュアンス・ネオ)」の詳細を発表したことで、新事実がいくつか分かった。
10月に筆者は「Continuum for Phonesに必要なハードウェアスペック」を予測したが、これは後にMicrosoftが開発者向けにMSDNで同機能のスペック要件を発表したことで正しいことが確認された。細かい部分を除けば、重要なのはプロセッサとメモリの部分だ。
プロセッサはQualcomm MS8992(Snapdragon 808)またはMS8994(Snapdragon 810)が現時点でサポート対象とされ、メモリは最低2Gバイト(本体のディスプレイ解像度が1280×720)で、推奨は3Gバイト(ディスプレイ解像度が1920×1080以上)となっている。
現時点でこれを満たす製品は、Microsoftの「Lumia 950」「Lumia 950XL」とAcerの「Jade Primo」しかなく、多くの既存Windows Phone製品がミドルレンジ以下のプロセッサを搭載したモデルと考えれば、Continuum for Phonesは非常に限られたプレミアム機能と言える。
しかし、11月30日に開催された発表会で登場したNuAns NEOは、その独特のデザインや機能性だけでなく、Continuum for Phones対応という驚きのオマケまで付いてきた。事前に「NEOはミドルレンジのプロセッサを採用する」という話を聞いており、前述のようにMicrosoftから「Continuum for Phones対応は最新のハイエンドプロセッサのみ」という情報が公表されていたこともあり、対応は難しいのではないかと思っていたからだ。
最終的に発表されたNuAns NEOのスペックは、搭載プロセッサがQualcommのSnapdragon 617(MSM8952)で内蔵メモリは2Gバイト。MSM8952はまだ新しいプロセッサであり、採用したのは同製品が初めてという。Continuum for Phones対応には「Preliminary(暫定的)」という注釈がついているが、これは初採用のプロセッサという点に起因する。
現在トリニティとMicrosoft、Qualcommの3社で検証を進めている段階で、確認ができた段階で正式サポート対象となり、スペックシートにも加えられることになるだろう。
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