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» 2019年05月24日 07時00分 公開

鈴木淳也の「Windowsフロントライン」:ポケモンGOとの違いは? クラウドとAIのMicrosoftを象徴する「Minecraft Earth」 (1/3)

年次イベント「Microsoft Build 2019」において発表された「Minecraft Earth」は、単なるゲームタイトルではなく同社の最先端技術を凝縮した“テクノロジーショウケース”だ。注目ポイントを整理した。

[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]

 5月7日(米国時間)に開催された「Microsoft Build 2019」の基調講演において、同社CEOのサティア・ナデラ氏がプレビュー動画を公開して話題になっていた人気ゲーム「Minecraft」のAR版アプリ。Minecraftを開発するMojangは、予告していた5月17日にそのタイトルが「Minecraft Earth」となることを発表し、今夏のクローズドβ開始に向けて参加者を募集している。

 興味あるユーザーはMicrosoftアカウントまたはXbox Liveのアカウントでの当該ページからのサインアップが可能だ。参加申請者の中からの抽選となるが、限定で稼働するゲームの世界に参加できるようになる。また抽選に漏れたユーザーであっても、登録者全員に専用スキンの配布が行われる他、テスト状況によって随時プレイできる枠が広がり、いずれかのタイミングで参加可能になるとみている。

Minecraft Earth Minecraft Earthは5月17日より2019年夏開始のクローズドβ参加者の募集を開始

“ポケモンGO”と“マイクラ”

 Minecraft(マイクラ)は、ブロックで構成された世界の中を同様にブロックで構成されたキャラクターたちが動きまわって狩猟生活をしたり、あるいは家のような建築物を作り出したりと、箱庭感覚で遊べるゲームだ。

 全体でみて特定のゲーム的なゴールはないものの、ゲーム世界において行動の自由度が高く、マルチプレイヤー時に同じ空間をシェアできることに加え、世界のカスタマイズ性の高さも相まって、箱庭空間そのものを楽しめる点が大きな特徴といえる。ゲーム自体は2011年にリリースされ、PCやスマートフォン、ゲームコンソールまでさまざまなプラットフォームでゲームプレイを楽しめるようになっているのも、広く長く愛されている理由だろう。

 そして、今回のMinecraft Earthだ。リリースのタイミングでオフィシャルトレイラーが公開されている。Microsoft内部で「Genoa」の開発コード名で呼ばれていた同ゲームだが、Minecraftのようにブロックパーツを組み合わせてオブジェクトや箱庭を現実世界に出現させたり、新規追加を含むおなじみの“モブ”たちが街をうろついたり、あるいは友人らと共同で作品を仕上げたり、冒険を繰り広げたりと、従来まで“レルム”としてサーバ単位で区切られていた世界を現実空間へと拡張している。

 いわゆるAR(拡張現実)の世界だが、Minecraft Earthはサービスインの時点でAndroidとiOSデバイス向けのアプリが提供され、スマートフォンなどの画面を通じていつもの世界をのぞくことで、現実世界にMinecraftのキャラクターがオーバーラップして表示されるようになる。

 没入感という意味では、Windows Mixed Realityをはじめとして、すでに2016年以降にVR HMDプラットフォーム向けのMinecraft VRが提供されているが、Minecraft Earthはそれとは異なる世界観だ。どちらかといえば、世界的にヒットした「ポケモンGO」のような世界観に近い。

 ただ、現状のポケモンGOは現実世界の特定ポイント上にポケストップやジムが配置され、一定ポイントごとにポケモンが出現し、それらを歩いて移動しながらゲットしたり、あるいはバトルで駆け抜けたりしていくという趣向だ。

 「位置情報」が重要ではあるものの、直接ARにおける“仮想世界”に介入する手段はジムバトルを通じての攻略、あるいは近隣にいるフレンドとのバトルやトレードのみとなる。レイドバトルのような複数プレイヤーが同時参加する仕組みはあるものの、実際には演出効果が中心で、そのレイドバトル自体にはリアルタイム性はあまりない。

 後に追加された対人バトルではある程度リアルタイムで互いの状況をシェアできるようになったが、このあたりはゲームデザインによる部分だとNianticの野村達雄氏は語っている。

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