Azure Spatial Anchorは、AndroidやiOSなど複数のスマートデバイスのプラットフォームでの利用を前提にしており、特定の専用機器やプラットフォームを必要としない。各プラットフォーマーではARCoreやARKitを通じて、プラットフォームにおけるコンテンツやアプリケーションを増やそうとしているが、こうした思惑と関係なく、Azure Spatial Anchorの空間情報はクラウドを通じていつでもユーザーによって共有される。
モバイル向けプラットフォーム市場で覇権を握れなかったMicrosoftゆえの苦肉の策ともいえるが、これがかえってデバイス中立で水平展開しやすい環境につながっているともいえる。HoloLens 2はあくまでビジネス用途を主体とした製品だが、Azure Spatial Anchorの技術自体は非常に応用範囲が広いことの証左になっている。
まとめると、Minecraft EarthはMinecraftワールドを構成するゲームの一形態ではあるものの、その実はMicrosoftが推進し、現在構築しつつある最新のサービスや技術群を集めて作った“テクノロジーショウケース”と呼べるものになっている。
あくまでゲームであり、ユーザーにはそれらを意識させずに楽しんでもらうことが重要ではあるものの、その裏には「クラウドとAIのMicrosoft」を象徴するような特徴がふんだんに盛り込まれているということくらいは知っていてもいいかもしれない。
先述したウォーレン氏を含め、事前にテストプレイヤーになった人々からの、これら最新技術を駆使したゲームに対する評価は「不安定だが将来性が楽しみ」というものだったようだ。興味ある方はぜひ登録してトライしてみてほしい。
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