Windows 10にCortana追加、Skype同時通訳、Office新ツール――2015年に注目のMicrosoft新技術鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(1/2 ページ)

» 2014年12月17日 10時00分 公開
[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]
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インストール前の注意

Windows 10 Technical Previewは、開発者や企業のIT管理者、PCに詳しいユーザーに向けた開発早期のβ版です。実生活やビジネスで利用することを想定したものではなく、これにより発生した事象や損害について、PC USER編集部、筆者、Microsoftは一切の保証をしません。


来年早々に配布されるWindows 10 Techinical Previewの次期ビルドとは?

 2014年12月、現時点で一般ユーザーが入手可能なWindows 10 Techinical Preview(Windows 10 TP)の最新ビルドは「Build 9879」だ。

 その内容は本連載で先日紹介した通りで、MicrosoftによればWindows 10 TPにおける今年最後のアップデートとのことだが、早くも来年2015年1月に提供するとみられる次期ビルド「Build 9901」のリーク情報が出てきた。

 例えば、Build 9901を入手して撮影したというスクリーンショットを掲載したWinSuperSiteのポール・サーロット(Paul Thurrott)氏は、多くの変更点があると報告している。こうしたリーク情報をもとに、Windows 10 TPの次期ビルドで予想される変更点をまとめていこう。

ネットに流出しているWindows 10 Techinical Preview「Build 9901」のデスクトップ画面

ついにCortanaを実装するWindows 10 TP

 Cortanaとは、Windows Phone 8.1に標準搭載されたパーソナルアシスタント機能だ。iOSの「Siri」とGoogleの「Google Now」、これら2つの機能を合わせたような特徴を持つと説明すれば分かりやすいだろう。

 次期Windows(Threshold)での搭載が前々からウワサになっていたものの、現在提供されているWindows 10 TPのBuild 9879ではいまだ搭載されておらず、さらに現時点で「日本語に未対応」という日本のユーザーにとって致命的な問題もある。

 しかし2014年12月初旬になり、Cortanaはフランス語、イタリア語、ドイツ語、スペイン語を新たにサポートし、世界でのサービス提供地域が2桁にまで拡大した。Windows Phone 8.1搭載機が未発売の日本においても、Windows 10での正式採用とともに、いずれはサポートされると考えられる。

2014年12月初旬になり、Cortanaはフランス語、イタリア語、ドイツ語、スペイン語を新たにサポートした。Windows 10でのCortana搭載と、日本語のサポートが待ち遠しい

 リーク情報によれば、このCortanaがついにWindows 10 TPのBuild 9901に搭載された。おそらくは、2015年1月21日(現地時間)に米ワシントン州レドモンドの米Microsoft本社で開催されるWindows 10発表イベントでの目玉の1つになるだろう。

 Windows 10におけるCortanaは、デスクトップでの利用を想定したものというより、どちらかと言えばタブレットでの利用を想定している可能性が高い。そのため、本命となるのは2015年初春が予定されている「コンシューマー向けWindows 10」発表での各種サービスや機能連携にあると考えられる。

 Build 9901のリーク画像では、Cortanaのウィンドウはスタートボタン右側の検索領域にポップアップ状に展開しており、タスクバー上の検索ボタンがCortanaの窓口になっていると予想される。

リークされたBuild 9901のCortanaは、スタートボタン右側の検索領域にポップアップ状で現れる

設定メニューの変更

 Windows 8以降のユーザーインタフェースで筆者が問題だと考えていることの1つが、設定メニューの分散だ。Modern UI用のPC設定メニューとコントロールパネルが別々に存在し、さらにメニュー構造や設定可能な内容が異なっており、目的のメニューにたどりつくには多少の慣れが必要だ。

 不完全ながらも、Build 9901ではこのメニュー統合を考え始めた印象を受ける。具体的には、PC設定メニューとコントロールパネルをともに廃止し、単一の設定メニューを用意しようとしているのだ。リーク情報ではまだ実験的な段階に思えるが、おそらく製品版のWindows 10では分散している設定メニューに関して、何らかの統一見解が示されることだろう。

 この設定メニューの変更については、前述のサーロット氏が個別記事で細かくまとめている。ポイントとしては、従来のModern UIのPC設定と比較して「変更可能な項目が大幅に増えていること」と、設定メニューの内容から「SDメモリーカードなどリムーバブルストレージへのアプリの保存が可能になったこと」が挙げられる。

 また興味深いのは「Mapsのオフライン利用」オプションが用意されている点で、使い方次第ではWindowsの利用方法が少し広がりそうだ。

各アプリのアップデートも

 新UIへと変更されたWindowsストアアプリのほか、これまで「Xbox」の名称でバラバラに提供されていたアプリ(MusicやGamesなど)の統一、そのほかAlarms、Calculator、Mapsといったアプリでのアップデートが報告されている。

 またWindows 8.1でフォトビュワーからフォトレタッチへと機能が変更された「Photos」アプリだが、リーク画像を見る限りでは再びOneDriveなど外部リソースを参照可能な機能が付与されており、Windows 8時代の仕様へと戻ったようだ。

 このほか、UI面でいくつかの変更が行われた。スクリーンショットとともにサーロット氏はいくつかの変更点を挙げているが、新しい壁紙の追加をはじめ、設定チャーム(Charm)メニューの削除(前述した新しい設定メニューへの移動)、Modern UIアプリをウィンドウ表示した際のウィンドウボタン(画面左上)の廃止、Modern UIアプリへのフルスクリーンボタン追加など、細かなアップデートが見られる。

 ただし、筆者の感想では「試行錯誤中」の印象が強い。来年1月に提供されると思われるWindows 10 TPの次期ビルドでは、さらに変更が加えられている可能性もある。

リークされたBuild 9901に見られる新しい壁紙の一部。印象的な風景写真やマルチディスプレイ向きのパノラマ写真が用意されている
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