Windows 7のメインストリームサポート終了が意味すること:鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(1/2 ページ)

» 2015年01月27日 11時00分 公開
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依然ユーザー数の多い「Windows 7」が延長サポート期間へ

 現時点で最新のWindows OSは「Windows 8.1 Update」だが、実際は法人を中心に、「Windows 7」をメインOSとして使っている方は多いだろう。そのWindows 7の「メインストリームサポート」が、2015年1月13日(米国時間)に終了したことはご存じだろうか。現在は「延長サポート」期間へと突入しており、これも2020年1月14日に終了する。

 昨年2014年は「Windows XPの延長サポート終了」がさんざん騒がれたため、記憶に新しいかと思うが、そもそもこの「メインストリームサポート」と「延長サポート」とは何を意味するのか。Windows 7のメインストリームサポートが終了したこのタイミングで、改めてその影響や今後どうすればいいのかについて考えてみたい。

Microsoftが説明する「Windowsのサポートライフサイクル」。「Windows 7 メインストリームサポート終了のお知らせ」(http://www.microsoft.com/ja-jp/windows/lifecycle/eos/consumer/default.aspx)より

Windows製品のサポートポリシーとは?

 シンプルな話で言えば、MicrosoftのWindows製品は提供開始から5年間は「メインストリームサポート」の名称でフルサポートが提供され、それが終了してからの5年間は「延長サポート」期間として限定的なサポートが受けられ、計10年間を経て製品としての寿命が終了する。

 以後、“基本的には”サポートが終了しているため、バグやセキュリティ上の脆弱(ぜいじゃく)性が発見されても、ソフトウェアアップデートは配布されなくなる。サポート終了後も利用は可能なものの、新しいソフトウェアやハードウェアが動作しなかったり、セキュリティ上の危険性から「継続利用が推奨されないプラットフォーム」となる。それが昨年のWindows XPサポート終了だったというわけだ。今後、Windows Vista(2017年4月11日)、Windows 7(2020年1月14日)と順番に、この寿命が到来することとなる。

 一点ややこしいのが、上記の5+5=10年のサポートサイクルに存在する例外事項だ。過去の記事でも触れたが、Windowsには「Service Packサポート」という期間が設定されており、「最新のService Packが提供されてから24カ月(2年間)で直前のService Packのサポートが終了する」というルールがある。この2年間というのは(主に企業ユーザーを対象にした)移行の猶予期間であり、基本的には最新のService Packを適用してWindowsを最新状態に保つ必要があるということだ。

2014年4月9日に配布された「Windows 8.1 Update」

 ただし例外的に、「Windows 8.1 Update」は(猶予期間が後に延長されたものの)提供開始からコンシューマー向けで30日以内にWindows 8.1への適用を行わないと、以後のアップデートが受けられなくなるという話があった。ルールは少々ややこしいが、簡単に言えば「Windowsを最新状態に保てば最低限10年間のサポートを受けられる」と認識しておけばよいだろう。

 「メインストリームサポート」と「延長サポート」に話を戻すと、両者が意味するところとその違いはどこにあるのだろうか。詳細は「マイクロソフト サポート ライフサイクル ポリシーに関する FAQ」のページでも説明されているが、メインストリームサポートが「すべてのサポートを受けられる」のに対し、延長サポートでは「セキュリティアップデートは継続提供されるが、それ以外のサポートは有償(プレミアサポート)または個別対応」となる。

 問題は「それ以外のサポート」の部分だが、「機能追加や変更の要請」「セキュリティ以外のアップデート」と上記FAQでは示されている。一般ユーザーにとって重要なのは後者で、セキュリティ以外の「新機能追加」や「機能更新」といったアップデートがその範囲に含まれ、つまり「延長サポートに入ったWindowsにはもはや新機能が提供されない」ということを意味している。

Microsoftが説明する「メインストリームサポート」と「延長サポート」の違い。「マイクロソフト サポート ライフサイクル ポリシーに関する FAQ」(http://support.microsoft.com/gp/lifepolicy/ja)より

「Windows 7メインストリームサポート終了」とは何なのか?

 今回の「Windows 7メインストリームサポート終了」が意味するところは、つまりWindows 7がすでにセキュリティ対策やバグ対応が行われるだけのプラットフォームになったということであり、今後Microsoftが提供していく新機能やサービスの利用にはより新しいプラットフォームへと移行する必要があるということだ。

 分かりやすいところでいえば、「Internet Explorer(IE)」と「DirectX」が挙げられるだろう。現在、Windows 7に提供されているのはIE11だが、もともとMicrosoftには同OSにIE11を提供する計画はなかったと考えられている。

Windows 10に採用される新ブラウザの「Project Spartan」(開発コード名)。キーボードやペンを使ったWebページへの注釈機能、Web記事をシンプルで読みやすいレイアウトで表示するリーディングビュー、音声アシスタント「Cortana」の統合といった特徴を持つ

 何かしらの理由でIE11の提供を開始したとみられるが、これが延長サポートに突入したWindows 7にも引き続き「最新IEが提供される」かと言えば、疑問符がつく。過去の記事でも触れたが、Windows 10が搭載する「Project Spartan」(開発コード名)と呼ばれる最新WebブラウザはWindows 7に提供されない可能性が高い。

 また現在はバージョン11が最新版である「DirectX」についても、Windows 10とともに提供される見込みの「DirectX 12」が、Windows 7では非対応になるといううわさがある。Microsoftでは明言していないが、「最新技術は最新プラットフォームで」というスタンスは自然なもので、これが将来的には新プラットフォーム移行への布石となる。

 ただし、これはIE11の例にみられるように後に覆される可能性もあり、また新技術が提供されないからといって、必ずしも悲しむものでもない。Windows 7にはすでにIE11が提供されており、これがWebブラウザの後方互換性を重視する企業ユーザーには十分な役割を果たしている。一方で多くのコンシューマーユーザーが最新技術を望むならば、最新プラットフォームへと移行すればいいだろう。もちろんWebブラウザにはIE以外の選択肢もある。

 DirectX 12はAMDの「Mantle」の思想を取り入れ、ローレベルAPIの提供でライブラリの大幅な軽量化とスリム化を図ったことが特徴と言われている。高速化はユーザーにとってのメリットだが、ゲーム側が必ずしもDirectX 12を要求するとは限らず、当面の間は最新タイトルを望む場合にのみ動作制限にかかる可能性がある程度だ。

 「いまあるハードウェアとソフトウェアをそのままの環境で利用するならWindows 7のままで問題ないが、今後数年で登場する新ハードウェアやソフトウェアの対応にはWindows 10以降のプラットフォームが必要になる可能性が高い」というのが「Windows 7メインストリームサポート終了」の意味するところだ。急ぎではないものの、「そろそろ次を検討する時期ですよ」と考えると分かりやすい。

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