Windows 10“完全無料”騒動とは何だったのか?――やはりWindows XP/Vistaは対象外鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(1/3 ページ)

» 2015年06月25日 12時30分 公開
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Windows 10プレビュー版から製品版へのアップグレード情報が混乱を招く

 米Microsoftが公式ブログの「Blogging Windows」で投稿した「Windows 10の最新アップデートに関する情報」を巡り、ちょっとした騒動が巻き起こった。

 事の発端は、同社OSグループでエンジニアリンググループマネージャーを務めるガブリエル・オウル氏による6月19日(米国時間)の投稿から。その内容は、「Upcoming changes to Windows 10 Insider Preview builds」と題して、Windows Insider Programの参加者に対し、今後のWindows 10 Insider Preview(Windows 10プレビュー版)の最新ビルド配信に関する変更点と、7月29日公開のWindows 10製品版の入手に関する注意を促したものだ。

 6月19日時点でオウル氏は、「次回配信されるWindows 10 Insider Previewからは、Windows Insider Programに結びつけられたMicrosoftアカウントが必要になる」ということを喚起すると同時に、7月29日に製品版の配信が開始されたタイミングで、2種類の選択肢が用意されることを紹介している。

  1. Windows Insider Programを続ける
  2. Windows Insider Programを抜けて(オプトアウトして)、Windows 10製品版へとアップグレードする

 もし2番を選んだ場合、Windows Insider Programに結びつけられたMicrosoftアカウントを利用しているシステムであれば、そのまま7月29日以降にWindows 10の製品版へと移行できる。

7月29日にWindows 10製品版がWindows 7/8.1ユーザーに対して1年間に限り無料アップグレードの形で提供される。この時点で、Windows Insider Programに参加してWindows 10 Insider Previewを使っているユーザーは、そのまま同プログラムを続けてWindows 10 Insider Previewを試用し続けるか、Windows 10製品版に乗り換えるかの選択が求められる

 これに関してオウル氏は、Windows Insider Program参加者から「ISO経由でクリーンインストールが可能か」という質問がよく寄せられていたことを挙げ、「Microsoftアカウント(MSA)に結びつけられたWindows 10 Insider Previewを動かしている限り、(当該のシステムは)最終ビルドのWindows 10を入手可能で、“アクティベート(Activated)”されたままの状態となる。インストールに成功してアクティベートが完了すれば、以後は(最終版のISOから)クリーンインストールが可能になる」と説明している。

 ここでのポイントは、アップグレード元となるWindowsシステムの“ライセンス状態に触れていない”ことだ。つまり、本来無料アップグレード対象となるWindows 7(SP1)やWindows 8.1 Updateの“正規ユーザー”でなくても、一度Windows Insider Programに結びついたMicrosoftアカウントを使って最新のWindows 10 Insider Previewをインストールしてしまえば、Windows 10製品版へとそのままアップグレードできるという“穴”が存在しているようにも判断できる。

 これが本当ならば、無料アップグレードの対象となっていないWindows XPやWindows Vista、あるいは仮想マシン上にISOからWindows Insider Programをインストールしたシステム、さらには海賊版Windows搭載のシステムでさえも、システム条件さえ満たせば、Windows 10製品版にアップグレードできることになりかねない。事実上、Windows 10は完全に無料提供という解釈もできてしまうわけだ(もちろん、これは間違い)。

 このため、メディア各紙の報道やユーザーの間では同氏のブログ投稿を巡って大騒ぎとなり、これを受けたオウル氏もまた「アクティベート(Activated)」の文言をブログの投稿から削除するなどの変更を加えつつ、6月22日(米国時間)に改めて文章を全面的に書き直した形で再度説明に追われるなど、混乱について謝罪する事態となった。

Windows 10 Insider PreviewはISO版でも用意されており、USBメモリやDVDメディアにISOファイルを転送することで、クリーンインストール可能だ

 問題は、どうしてこうした騒動を巻き起こしてしまったのかという背景だ。

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