Apple参入のうわさで沸く2026年 パイオニア・サムスンが魅せる「折りたたみスマホ」の現在地(1/4 ページ)

» 2026年09月09日 11時00分 公開
[林信行,ITmedia]

 2026年、「折りたたみスマートフォン」という存在が改めて注目を集めている。

 最大の理由は、あのAppleが50周年を迎えた2026年こそ、ついに折りたたみスマートフォンを出すという絶えないうわさだ。うわさはあくまでもうわさで真偽は分からないが、この状況は他のスマートフォンメーカーにも大きな刺激を与えている。

 日本でもサムスン電子、Google、ZTE、オウガ・ジャパン(OPPO)、モトローラなどが折りたたみ製品を展開しており、各社がこのカテゴリーに力を入れている印象がある。

 とはいえ、折りたたみスマホはまだマイナーな存在だ。調査会社Counterpoint Researchによれば、四半期として過去最高の出荷台数を記録した2025年7〜9月期でも、世界のスマホ出荷に占める割合は2.5%に過ぎない。

 読者のみなさんも、まだ高価だから自分には関係ないと考えていたが、Appleからも出るかもしれないと聞いて改めて興味を持った人が少なくないだろう。

Galaxyスマートフォンの折りたたみシリーズは、元祖だけあって他をリードする薄さと軽さ、そして細かな工夫がいっぱい詰まっている。左がFlip8、右上がFold8 Ultra、下が新形状のFold8だ

 この記事は、そんな折りたたみスマートフォンに詳しくない人たちを対象に、折りたたみスマートフォンのパイオニアであるサムスン電子の最新Galaxy Zシリーズを通して、改めてこれがどんな魅力を備えた製品で、普通のスマホとどのように異なるのかを知ってもらうためにまとめたいと思う。

 最初の製品「Galaxy Fold」を世に出してから7年間が経過し、同社の折りたたみスマホは8世代を重ねてきた。市場を切り開き、時には盛大に失敗し、直し、時には自ら育ててきた機能を切り捨てながら、製品を進化させ続けてきた歴史がある。

 2026年は製品ラインアップを根本から見直し、これまでになかった形状の製品「Galaxy Z Fold8」を発表。従来からの流れをくむ「Galaxy Z Fold8 Ultra」と「Galaxy Z Flip8」も着実に進化をさせている。

 今回、これらの製品を実際に試して、その進化の足取りや現在地を確認することにした。なお、比較用として3年前の「Galaxy Z Fold5」も検証させてもらった。

Galaxy Z Fold8 Ultraに見る、8世代分の進化と割り切り

 まず、折りたたみスマートフォンには大きく2つの形がある。

 かつての携帯電話のように上下にたたんで小さくする「縦折り」型と、手帳のように開くと画面が広がる「ブックスタイル」だ。Galaxy Zシリーズでは前者をFlip、後者をFoldと呼んでいる。折りたたみというと、開いた状態の大きな「メイン画面」のイメージが強いかもしれないが、実はどちらのタイプもたたんだ外側にもう一面、閉じた状態で使うディスプレイ「カバー画面」がある。

 縦折り型の魅力は、スマホを折りたたんでコンパクトに持ち歩けることだ。実際、折りたたんだ時のサイズは、ちょうど持ち歩き用ファンデーションなどのコンパクト化粧品ほどのサイズで可愛らしい。

 これに対してブックスタイルは、閉じた状態は普通のスマホで、開くと小型タブレットに変形することを目指した製品だ。

 スマホとタブレットの両方を持ち歩いていた人に「持ち歩きを1台だけに絞れる」と訴求する製品で、2台を買いそろえる価格を考えると少し安く思えてくる。

Galaxy Z Fold8 Ultraは、サムスン電子が生み出した「ブックスタイル」折りたたみスマホの本家のスタイルを踏襲し、目を見張る薄さと軽さを実現したフラグシップモデルだ

 メイン画面のサイズは、およそ8型で、つまりAppleのタブレット「iPad mini」の8.3型やサムスン電子のタブレット「Galaxy Tab A11」の8.7型に近い対角サイズだ。ただし、縦横比が異なるため、同じ映像や紙面を表示した時の大きさまで同じになるわけではなく、映画などを大迫力で楽しむというサイズではない。

 それでも、スマホで見ていては気が付かない映像の背景のディテールなどにも十分気付けるサイズだ。この広い画面を分割して複数のアプリを開き、参考文献を読みながら長文メールを書くといった使い方もできる。

開く/閉じるだけでなく、卓上で途中まで開いて映像やコンテンツを見やすい角度で楽しめるのも折りたたみスマホの醍醐味(だいごみ)だ。Fold8 Ultraの大画面だと、画面を分割して3つ程度のアプリでのマルチタスクもしやすい

 ただし、2年ほど前までは閉じた状態に課題が残っていた。カバー画面の縦横比は、2023年のFold5で約23.1:9、2024年のFold6でも約22.1:9だ。同時期のiPhoneやGalaxy S24などの約19.5:9と比べて細長く、文字入力などで横幅の窮屈さを感じた。

 それが2025年のFold7では21:9となり、今回のFold8 Ultraもこの比率を受け継いでいる。同じ高さで比べた横幅の差は、Fold5の約15%から約7%へ縮小している。まだ少し縦長ではあるが、閉じたままでも普通のスマートフォンに近い感覚で使える形へと進化した。

サムスン電子の最新折りたたみスマホの閉じた状態での比較。左からFlip8、Fold8、Fold8 Ultra、その隣は3世代前のFold5、そして右端は比較用のiPhone 17 Pro Maxだ。Fold5はかなり縦長で画面が細いことが分かると思う。Fold8 Ultraでは、閉じた状態でも普通のスマホにかなり近い画面サイズを実現している。これは折りたたみ機構が埋め込まれていることを考えると、かなり大変だったはずだ。なお、左端のFlip8は、YouTubeなどの動画を再生する機能はあるが、Webページを表示する機能はない
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