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» 2019年04月08日 07時00分 公開

鈴木淳也の「Windowsフロントライン」:どうなるChromium×Edge、Skype for BusinessからTeamsへの流れ

Windows 10のデフォルトブラウザである「Edge」の動作ベースを「EdgeHTML」から「Chromium」へと移行が発表されてから4カ月近くが経過した。どのような状況になっているのかを見ていこう。

[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]

 MicrosoftがWindows 10のデフォルトブラウザである「Microsoft Edge」の動作ベースをそれまでの「EdgeHTML」から「Chromium」へと移行していくことを発表したのが2018年12月のことだ。それから4カ月近くが経過する中で、Insider Preview参加者の募集がスタートしたり、Chromiumプロジェクトの中でMicrosoft側の活動が目立つようになったりと、さまざまな動きが見えつつある。

 また、Insider向けにはアドオンページが用意され、基本的にはChromeのExtensionがそのまま利用できる作りになっているようだ。

Chromium×Edgeのリーク版ソフトウェアの報告が相次ぐ

 Chromium×Edgeの最新の動きとして、内部テスト用のChromium×Edgeのダウンロードリンクが最近になりリーク情報として出回って話題となっている。HTNovo(イタリア語)が3月18日に掲載した記事によれば、当該のリンクからは「MicrosoftEdgeSetup.exe」と呼ばれるファイルを落とすことが可能だ。

 ただ、実際にやってみると分かるように、ファイルを実行してもインストールエラーが出て先に進めない。だがその後、PCのβ版リーク情報掲示板に利用可能なバイナリをダウンロードするためのリンクが掲載されたことをMSPoweruserなどが報じており、一部のユーザー間でテスト報告が上がり始めている。

 実際の動作画面は前述のリンクを報じたMSPoweruserの他、The Vergeなどが紹介しているが、インタフェース的にはEdgeとChromeの中間のような存在であり、全体的にEdge的な外観の一方でChromeのように設定画面がタブの1つとして表現されているなど、両者のクセを合わせたような印象だ。

Microsoft Chromium×Edgeの動作画面(MSPoweruserより)

 基本動作はChromeと同等であり、デフォルトブラウザという理由でEdgeを選ぶ以外、あえてChromeやFirefoxなどで使い慣れたユーザーがEdgeに移る理由も薄いといった感想も聞かれる。寄せる部分は寄せる一方で、Edgeとしての特色が今後はある程度求められていくことになるだろう。

 なお、MSPoweruserによれば、このテスト報告が相次いでいるChromium×Edgeについて、Windows 7での動作も確認できているという。2020年1月に延長サポートが終了するWindows 7だが、現状でEdgeは提供されておらず、Microsoft製ブラウザとしてInternet Explorer 11が用意されているに過ぎない。テスト版とはいえ、Windows 10専用となっていない点は面白い。

企業向けのコミュニケーションはSkype for BusinessからTeamsへ

 次はOffice 365と関連ソフトウェアの話題だ。近年のMicrosoftはコラボレーションツールの「Teams」を非常にプッシュしていることが知られているが、同社の3月19日のBlog投稿によれば、Fortune 100社のうちの91社、全体では50万以上の組織がTeamsを何らかの形で採用しているという。

 最新機能としてビデオチャットでの背景変更の他、ホワイトボードに記述した内容をカメラ経由でデジタル的にデータ化する機能、リアルタイムで発言をキャプション表示する機能(英語版のみ)、そしてMicrosoft 365ユーザー間で最大1万人規模の社内ライブイベントを開催する機能など、以前より言及されていたものを含む便利な新機能がパブリックプレビューとして追加されている。

Microsoft Teamsのビデオチャットでの背景変更イメージ
Microsoft ホワイトボードの書き込み内容をカメラで捉えてデジタルデータ化する。これはMicrosoft Teams Roomsのホワイトボードにコピーしてそのまま作業可能だ

 このTeamsだが、今後Office 365 ProPlusを新規にインストールする場合は標準のコミュニケーションツールとして自動的に導入が行われ、これまで同種の機能を提供してきた「Skype for Business」を置換することになる。

 対象となるのは、下記のチャネルを選択しているユーザーで、それぞれのタイミングに到達次第、インストールが行われる。もし既存ユーザーがSkype for Businessを導入済みの場合には、そのまま削除されることなく同アプリケーションの利用が継続され、今後ProPlusのインストールを行ってもデフォルトではSkype for Businessが以前と変わりなく利用できる。

 Teamsがデフォルトになるのはあくまで「新規インストール」の場合に限定され、「(既存の業務フローに影響を与えずに)新規ユーザーにはTeamsをプッシュしたい」というMicrosoftの願望が反映されたものになる。

Microsoft TeamsがOffice 365 ProPlusでデフォルトのコミュニケーションツールとなるソフトウェアの配信チャネルとそのタイミング

 このSkype for BusinessとTeamsの関係についてはMicrosoftがFAQで言及しているが、位置付けとしては「Skypeという“ブランド”はそのままでコンシューマーとオンプレミスな企業用途で利用され、クラウドを使ったより広範なコミュニケーション用途についてはTeams」という形で区別しているようだ。

 毎年のようにブランド名や戦略が変わるMicrosoftの企業向け施策だが、コンシューマーの世界でビッグネームとなっている「Skype」をフェードアウトさせることなく、企業ユーザーには新しいツールへ移行してほしいということなのだろう。

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