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Windows 10は2017年に2回の大型アップデートで進化する鈴木淳也の「Windowsフロントライン」

» 2016年08月15日 15時00分 公開
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 米Microsoftは8月11日(現地時間)、Windows 10開発プレビュー版である「Windows 10 Insider Preview」の最新ビルド「Build 14901」をWindows Insider ProgramのFast Ring登録PCユーザー向けに配信した。

 これは事実上、2016年8月2日に配信が始まったWindows 10の大型アップデート「Anniversary Update」こと「Redstone 1(RS1)」に続く、次期大型アップデート「Redstone 2(RS2)」における最初のビルドとなるものだ。

Windows 10 米Microsoftが8月11日(現地時間)、Windows Insider ProgramのFast Ring登録PCユーザー向けに配信した「Windows 10 Insider Preview」の「Build 14901」

動き始めた「Anniversary Update」後のWindows 10

 Fast Ring向けにBuild 14901の配信を開始したことは、Windows Insider Programではおなじみのドナ・サルカール氏が公式ブログ(Windows Experience Blog)で報告している。

 RS2最初のビルドということで中身が気になるBuild 14901だが、新機能はまだほとんど実装されていない。ファイルエクスプローラ内にユーザー向けの通知メッセージを表示させる機能が搭載された程度だ。これにより、新機能の追加や何かアップデートがあった場合などに、ファイルエクスプローラの表示を通じてユーザーに通知することが容易になる。もちろん、この機能そのものはオプション設定でオフにできる。

 なお、Build 14901に関する既知の問題としては、Adobe Acrobat Readerを起動しようとするとクラッシュしてしまう現象が報告されている。

Windows 10 Build 14901で追加された新機能となるファイルエクスプローラ経由でのメッセージ通知

 このように、RS2はまだ走り始めたばかりの段階だ。一般向けのリリースは2017年の春頃が見込まれており、今後約半年をかけてゆっくりと新機能の追加やブラッシュアップが行われていくことになる。

そして早くも「RS3」のウワサ

 当初、このRedstone世代のWindows 10は第2弾となるRS2までの情報が出回っていたが、ここに来て第3弾となる「RS3」の話題が出てくるようになった。

 同件を報じているのは米Windows Centralだ。RS3に該当する大型アップデートが、2017年夏から初秋に登場の見込みという。米Microsoftのネイサン・マ−サー氏はこれを裏付ける話をTechNet上に投稿しており、以下のように記している。

Windows 10, version 1607 is our third Windows 10 feature update released. Based on feedback from organizations moving to Windows 10, this will be our last feature update for 2016, with two additional feature updates expected in 2017.

Windows 10(バージョン1607)は、われわれの3つ目にあたるWindows 10の機能アップデートとなる。Windows 10への移行を行う組織からのフィードバックにより、2016年はこれが最後のアップデートとなるが、2017年には2つの追加機能アップデートが提供される見込みだ。

 つまり、2016年には1回だったWindows 10の大型アップデートを、2017年には2回行う計画がMicrosoft社内で進んでいるということだ。

 2015年11月に配信された「November Update(1511)」こと「Threshold 2(TH2)」から、Anniversary Update(1607)ことRedstone 1(RS1)までは半年以上の期間が空いてしまったが、恐らく同社では「(おおよそ)半年に1回」ペースで大型アップデートを提供するべく活動しており、タイミング次第で「年に1〜3回」程度の配信ペースになるというわけだ。

やはり気になるのはモバイル分野

 RS2そのものに追加される新機能はまだまだ不明な部分が大きいが、一部ではWindows 10 Mobileなど「モバイル機能中心の拡充」が行われるというウワサが出ており、Windows 10 for PCも含めてモバイル機能がテコ入れされる可能性がある。

 Windows 10 Mobileの普及が思うように進まず、Intelの戦略変更によって省電力のAtomプロセッサが終了に向かうことで、それを搭載した低価格のPCタブレット市場が縮小に向かっている中、Microsoftとしては「モバイル分野でのWindowsの在り方」をあらためてユーザーや開発者らに示す必要があると考える。


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