連載
» 2016年11月29日 15時30分 公開

Windows 10の次期大型アップデート「Creators Update」が形になってきた鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(1/2 ページ)

プレビュー版の大幅強化により、「Windows 10 Creators Update」の姿が見え始めてきた。

※本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 MicrosoftはWindows 10の次期大型アップデートを「Creators Update」と名付け、3Dデータの扱いに代表されるクリエイティブ用途向け機能の裾野を一般的なPCユーザーまで広げようとしている。

 これまでのWindows OSはコンシューマーやビジネスといった市場の違いはあったが、大型アップデートの名称はWindows 7以前のService PackやWindows 8.1 Update、Windows 10 Anniversary Updateなど、汎用(はんよう)的な名称だった。それだけにCreators Updateという特定用途にフォーカスした名称は目を引く。

 このWindows 10 Creators Updateは2017年の早い時期に一般公開される予定だ。Windows Insider Programでは、既に同アップデートのプレビュー版が配信されており、継続的にバグの修正や新機能の追加が行われているが、11月17日(米国時間)にFast Ringユーザー向けの配信が始まった「Build 14971」にはようやく主要な新機能が追加され、Creators Updateの姿が徐々に見えてきた。

Creators Update 11月17日にWindows Insider ProgramのFast Ring向けに配信が開始された「Build 14971」。非常に多くの新機能が盛り込まれている

 今回はこのBuild 14971に搭載された新機能をチェックしていく。

Windows Holographicに備えるための3D対応

 今回のBuild 14971で最も大きいのが、3D関係の機能を一気に強化してきたことだ。

 Microsoftは2016年12月に中国の深センで開催するハードウェア開発者向けカンファレンス「WinHEC」において、Windows 10搭載のMR対応HMD「HoloLens」を支えるプラットフォーム「Windows Holographic」に関するハードウェア要件などの詳細を公開する予定だ。

 Windows Holographicはサードパーティーにも開放され、HP、Dell、Lenovo、ASUS、Acerといったメーカーが299ドルからの低価格で対応HMDを発売するという。これらは2017年後半の市場投入とみられるが、同時にWindows 10でのWindows Holographicのサポートも進めておく必要がある。

 そこでBuild 14971では、Creators Updateに搭載される「Windows Holographic Shell」を先行投入した。現在はまだプレビュー版のようなものだが、同ビルドのアプリ一覧に表示される「Windows Holographic First Run」を実行すると、現在利用中のPCがWindows Holographicを体験するのに十分なパフォーマンスがあるのかを判別してくれる。

Creators Update Build 14971で初めて搭載された「Windows Holographic First Run」というアプリ。実行したPC環境でWindows Holographicが利用できるかを判定してくれる

 最低要件は下記の通りだ。昨今のPC基準から言えば、それほど高くないスペックと言える。

  • CPU:4コア以上
  • メモリ:4GB
  • USB:3.0以上を推奨
  • 空きストレージ容量:1GB
  • グラフィックスカード:DirectX 12以降対応

 Microsoftの説明によれば、対象PCだと判定された場合、幾つかのデモが見られる。利用にあたっては対象PCにHolographic対応のVR HMDを接続し、スクリーンを通してこの新しい世界を楽しむこととなる。

 ただ、個人的に試してみたところ、手持ちのPC(Surface Pro)が対象外と判別されてしまった。メモリは4GB搭載しているはずなのに、なぜ対象外とされたのかは不明だが、実際には4GBよりさらに積んでおく必要があるのかもしれない。

Windowsのペイントアプリが3D対応に

 Windows Holographic Shellの先行投入に合わせる形で、Build 14971では先日のデモでも紹介された「Paint 3D」アプリが利用可能になった。

 既存のPaint(ペイント)アプリがデフォルトでPaint 3Dに切り替わっているため、スタートメニューからこれを起動するだけでいい。幾つかチュートリアルを確認した後、3Dオブジェクトの制作が可能になる。

Creators Update Build 14971は、10月のイベントでデモストレーションが行われた「Paint 3D」を標準搭載。スタートメニューから起動できる
Creators Update Paint 3Dの初回起動画面

 少しだけ触ってみて分かったが、3Dに関しては今までのPaintと全く操作感が異なり、さらに2Dの絵とは異なった「絵心」が要求される点で難易度が高い。操作も慣れるまで大変ろう。ちなみに、このPaint 3Dは2Dの画像編集も可能なので、従来のPaintアプリを代用できる。

Creators Update とはいえ、一般ユーザーがすぐ使いこなせる簡単なアプリかというとそうではなく、現状では操作にややこしい部分もある。チュートリアルが用意されている
Creators Update 従来通りの2D画像編集も可能だが、このように3Dデータの編集や加工も行える

 Paint 3Dは現在、日本向けに提供されておらず、言語も英語のみの対応だが、MicrosoftではRemix 3Dというコミュニティーサイトを立ち上げており、ここを通じて制作した素材のアップロードやダウンロード、意見交換などが可能になる。

 Remix 3Dには、Paint 3Dを通じてアップロード等が可能なため、実質的にクラウド側のインタフェース的な役割を担う。恐らくはCreators Updateが一般公開される前後には提供国が拡大し、日本語に対応する可能性もあるので楽しみに待ちたい。

Creators Update 日本ではまだ未提供だが、Paint 3Dを使ったコミュニティーサービスとして「Remix 3D」も用意されている。Paint 3Dからアクセス可能で、同アプリのクラウド側とも呼べる存在かもしれない
       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2023年11月11日 更新
  1. 「Meta Quest 3」を仕事に生かす 最大5画面のデスクトップを表示するMR対応「Immersed」は神アプリか (2023年11月09日)
  2. Googleの新型スマートウォッチ「Pixel Watch 2」はどこが変わった? 試して分かったこと (2023年11月10日)
  3. 次世代の「Core Ultraプロセッサ」に採用! リアルタイムレイトレに対応したIntel内蔵GPUの“秘密”に迫る (2023年11月09日)
  4. ウエスタンデジタル、小型スティック筐体を採用したUSB外付けポータブルSSD (2023年11月10日)
  5. ウエスタンデジタル、USB 3.2外付けポータブルSSD「サンディスク ポータブルSSD」の新モデル 転送速度を最大800MB/sに高速化 (2023年11月09日)
  6. 今後のMacはどうなる!? 新型「iMac」に見るGPUを強化したM3チップの実力 (2023年11月07日)
  7. M3ファミリー搭載の新型iMacと16インチMacBook Proを試して分かったこと (2023年11月06日)
  8. 「Steam Deck」にOLEDディスプレイ採用の上位モデルが追加 (2023年11月10日)
  9. 創業111周年を迎えたシャープのターンアラウンド 技術を軸にエッジAIで他社と連携も CTO兼R&D担当役員に聞く (2023年11月08日)
  10. 18.5型のビッグサイズでデスクトップ用スタンドも付属! VGA接続にも対応したアイティプロテックのモバイルディスプレイ「LCD18HCR-IPS」を試して分かったこと (2023年11月08日)