「HoloLens」が最新プレビュー版でついに日本語ネイティブ対応鈴木淳也の「Windowsフロントライン」

» 2018年08月06日 11時00分 公開

 Windows 10といえば、大半の方がPCを思い浮かべるだろうが、カバーするデバイスの範囲は広い。Windows Mixed Reality(MR)に対応した透過型ヘッドマウントディスプレイ(HMD)デバイスの「Microsoft HoloLens」もWindows 10搭載機の一つだ。

 当然ながら、HoloLensに搭載されたWindows 10(「Windows Holographic OS」とも呼ばれる)は、PC版とは異なるエディションとなる。現状では、開発者向けの「Development Edition」が33万3800円(税込、以下同)、企業向けの「Commercial Suite」が55万5800円と、販路が限定され、高価なこともあり、一般には知る人ぞ知るデバイスといった感もあるHoloLensだが、大型アップデートが断続的に配信されている点に注目したい。

HoloLens 「Microsoft HoloLens」の利用イメージ

 本連載でも2018年3月に「HoloLens RS4 Preview」の提供が始まったことを紹介したが、昨今のMicrosoftはHoloLens開発者向けの施策を強化しつつあり、開発プレビュー版の「Insider preview for Microsoft HoloLens」を通じた新機能のリリースに積極的だ。

 直近では「Windows 10 Insider preview Build 17686」をベースにした「HoloLens RS5 Preview」の提供が6月11日(米国時間、以下同)に始まったが、7月27日にはRS5 Previewの最新版にあたる「Build 17720」の提供が始まり、開発者の間で話題になっている。

 今回のアップデートにおける最大のポイントは「日本語のネイティブ対応」だ(中国語にも対応)。これまでのHoloLensでも日本語は問題なく表示できていたが、アップデート(要クリーンインストール)によってOS標準で日本語のメニュー表示に対応しただけでなく、日本語のキーボード入力や音声入力が可能になった。

 一方で、日本語のBluetoothキーボードにはまだ対応しておらず、英語のBluetoothキーボードまたは画面上に出現するソフトウェアキーボードを利用する必要があるものの、大きなステップアップだろう。

 これが意味するのは、今後もフィードバックを経て積極的にHoloLensの国内外の開発者らを対象にしたバックアップ体制を敷いていくということであり、いかにMicrosoftが日本市場におけるHoloLensの展開を重視しているのかを示している。

 この他、Build 17720ではMiracastによるワイヤレスでのPCディスプレイや外部ディスプレイ出力、新しい通知表示、近くのWindowsデバイスとの画像・動画キャプチャー共有、Edgeブラウザからのシェアなど、幾つかの新機能や改善がみられる。詳細はリリースノートにまとめられている。

 なお、2019年第1四半期にはスペックを強化しつつ大幅に値下げした次世代HoloLensが登場するというウワサもある。日本語対応や機能改善も進み、次世代HoloLensはより目立つ存在になるかもしれない。

HoloLens MicrosoftはAI処理に特化したチップを搭載するコプロセッサ「HPU(Holographic Processing Unit) 2.0」を開発。これを次世代HoloLensに搭載する計画という(HPU 2.0の紹介動画より)

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