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» 2012年03月30日 08時00分 公開

Metroは裏でこんなことをやっている鈴木淳也の「お先に失礼! Windows 8(まだ仮称)」(1/2 ページ)

モバイルOSとしての機能も求められるWindows 8。そのために仕組まれた「Metro」の裏を解説する。前回の“勝手に消滅”に続いて明らかになるのはなんだ?

[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]

「画面ロック」「ログオフ」「終了」後のMetroアプリ

 前回紹介した「サスペンド」の挙動が理解できたところで、Metroスタイルアプリの“ライフサイクル”についてさらに掘り下げてみよう。「Windows 8はモバイルOS的」と表現したが、まさにユーザーが知りうるスマートフォンやタブレット向けOSと同等の挙動をWindows 8が実現していることが理解できるはずだ。

 スマートフォンの特徴に、「画面ロック」モードが挙げられる。これはタッチスクリーンを全面に採用したiPhone以降で多くなった、「ユーザーが誤って画面に触れて誤動作しないように画面にロックをかけ、特殊なジェスチャーが入力されるまで解除しない」仕組みだ。ロックの解除方法はいろいろあって、電源ボタン(ここでいう「電源ボタン」は画面オン/オフ)を押した後に、「スライダーを動かす」「PINコードを入れる」「あらかじめ登録した図形をなぞる」といった動作を正しく行うことで「ホーム画面」や「アプリ実行画面」を表示できる。Windows 8でもロック画面を導入しており、解除方法として従来の「パスワード入力」のほか、「PINコード入力」、そして新機能の「ピクチャーパスワード」が利用できる。

 ただし、Windowsでログイン時に行っていた「パスワード入力」と、モバイルOSでの「PINコード入力」は性質が異なる点に注意しなければならない。モバイルOSでは、操作しない状態が一定時間が経つと自動的に画面が消え、再び操作するにはロック画面を解除しなければいけない。これには「セキュリティ」と「バッテリー浪費の防止」という理由がある。ところが、これまでのWindowsでは、ログイン時のパスワード入力が「セキュリティの認証」と同時に、「ユーザー切り替え」の役割も果たしている。

 PCは「パーソナルコンピュータ」(Personal Computer)の略称だが、複数ユーザーで使い回すことも想定した、いわゆる「マルチユーザー」のデバイスだ。ところが、多くのスマートフォンはマルチユーザーの概念がなく、デバイスをセットアップするときに個人情報を入力したユーザーだけが利用する「シングルユーザー」のデバイスといえる。ある意味、シングルユーザー前提のスマートフォンがより「PC」といえるだろう。同じように、タブレットデバイスもまた、シングルユーザーデバイスといえる。

 では、Windows 8はどうだろうか? 結論からいえば、両者の性格をもっており、「画面ロック」「ログイン/ログオフ」の動作を明確に切り分けている。例えば、スタート画面で右上のユーザータイルをクリックすると、「Lock」「Log off」というメニューを表示する。ロック画面解除でパスワード入力を求めてくるのは同様だが、Log offは、ユーザー切り替えを前提としているため、ユーザープロファイルを再度読み込み、各種設定を初期化する。「画面ロック」を解除するという動作は同じなのに、一方は実行中のアプリやデータがそのまま維持され、もう一方は完全に再起動する状態でスタートする。

スタート画面のユーザータイルをクリックすると、「Lock」と「Log off」のいずれかを選択できる。前者が単なる「画面ロック」で、後者が「ログオフしてのユーザー切り替え」になる(写真=左)。「Lock」と「Log off」のいずれを選択してもロック画面の表示は同じ(写真=右)

「Lock」と「Log off」の最大の違いは、実行中のアプリやプロセスの挙動にある。単に「Lock」を選択して画面ロック解除からスタート画面に戻った場合は、すべてのアプリがそのままの状態で保持されるが、「Log off」を選んでから画面ロックを解除してスタート画面に戻るとすべてが初期状態にリセットする

 Windows 8 Developer Previewを導入した評価用のタブレットデバイスでは、画面をオン/オフする「電源ボタン」を用意しており、一定時間操作を行わずに自動で画面がオフになる、あるいは、手動で画面をオフにした場合、この「画面ロック」の状態から復帰することで元の操作画面に戻れる。「画面ロック」は従来でいうデスクトップPCやノートPCの「スリープ」に相当する機能だが、Windows 8における「画面ロック」は「スリープ」とは異なる。バックグラウンドでアプリは動作を続けており、「スリープ」のようにマシンが沈黙した状態にはならないからだ。

 Windows 8がモバイルOSを意識していることを示すもう1つの理由が「明示的にアプリを終了する方法がない」点だ。従来のWindowsアプリケーションであれば、タスクバーやウィンドウの「×」ボタンで終了できる(これは「Windows 8」でも同様だ)。ただし、Metroスタイルのアプリにはこうした仕組みを用意していない。起動したアプリがどんどんバックグラウンドにまわっていくだけだ。

 では、どうやって終了するのだろうか? その方法は簡単で、タスクマネージャーを起動してアプリを選択、右クリックで表示するメニューから「End Task」を選べばいい(ショートカットの「Alt」+「F4」も利用可能)。この操作をすると、いきなりブランク画面を表示する。タスクマネージャーを確認すると、先ほどの操作でアプリが終了したことを確認できる。ブランク画面を表示するのはWindows 8 DPがまだ開発途上にあるためと思われるが、同時に「アプリの終了はイレギュラーな操作」であることも原因とみられる。実際、Windows 8で現在実行中のアプリを確認/終了する方法はタスクマネージャー経由でしかない。

Metroスタイルアプリの起動中でもタスクマネージャーを起動できる。アプリ名のところにマウスカーソルを合わせて右クリックするとメニューを表示する。ここで「End Task」を選ぶとアプリを終了できるが、このようにブランク画面を表示する。これは、Windows 8 DPでのアプリ終了処理が未完成だからだとみられる

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