米Microsoftは7月9日(米国時間)、Windows Insider ProgramのFast Ring参加者向けに、Windows 10開発プレビュー版「Windows 10 Insider Preview」の「Build 14385」を公開した。数百のバグを修正したという。
公式ブログ(Windows Experience Blog)でドナ・サルカール氏が報告しているように、Windows 10次期大型アップデート「Anniversary Update(開発コード名:Redstone 1)」は8月2日の一般公開に向けて、ほぼ完成に向かっている。
7月29日にはWindows 7/8.1からWindows 10への無料アップグレード期限が終了するが、その直後に大型アップデートが無料で配信される。つまり、7月29日ギリギリでWindows 10に移行するユーザーは、直後にまた大型アップデートを適用するという流れになるわけだ。
従来であれば、Build 14385は「RTM(Release To Manufacturing)」に近づいたビルドという言い方で紹介していただろう。RTMとは、WindowsプリインストールPCを製造するOEMメーカーやエンドユーザー向けに提供される「OSソフトウェアの完成版」に該当する。
ただ、「Windows as a Service」のコンセプトを掲げて定期的に最新機能をユーザーに提供していくことを目標にしているWindows 10ではRTMというキーワードの使用を避けており、現在はマイルストーンに達したOSビルドを業界関係者が便宜上RTMと呼んでいるだけだ。
Redstone 1がRTMに近づいているという兆候は既に出ており、Fast Ring向けに1つ前のタイミングでリリースされた「Build 14383」からは「ウオーターマーク」と呼ばれるデスクトップ画面右下の「評価コピー」とビルド番号の表記が消え、直近で配信されたBuild 14385でも同様にウオーターマークが表示されていない。
米Windows Centralが7月7日(米国時間)に掲載した記事によれば、Build 14384からは既にRTMの最終候補版になっており、最終的なバグの修正と調整が行われた段階で該当するビルドをRTM相当として、7月11日週にもリリースする見込みだという。
次の「Build 14386」がRTM相当になるというウワサもあったが、7月10日時点(日本時間)で、既にMicrosoft社内の開発者向けビルドとして「Build 14387」が提供されている。ビルド番号は通常営業日にほぼ1日1つずつのペースで進んでおり、少なくとも「Build 14390」に達しない週前半のタイミングにはRTM相当のビルドが提供されるのではないだろうか。
ここでRTM相当となったOSビルドは、8月2日の段階で一般ユーザー(Current Branch:CB)に向けてAnniversary Update(1607)として順次配信が開始される。「1607」とはOSのバージョン番号で、2016年7月という配信年月を意味しているようだ(実際、2015年11月に配信された「November Update」のバージョン番号は「1511」)。
「あれ? 配信開始は2016年8月じゃないの?」と疑問に思う方がいるかもしれないが、当初7月に予定していた配信が8月にずれたとみられる。そこは大人の事情だと思って、深く考えない方がいいだろう。
なお、Anniversary Updateで追加される新機能については、以下の記事を参照していただきたい。
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