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» 2018年04月19日 16時00分 公開

Windows 10のEdgeとアプリを強化する鍵は「PWA」か鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(1/2 ページ)

Edgeブラウザの開発チームを強化するMicrosoft。その背景には、Windows 10のWebアプリ実行プラットフォームとしての性能を強化する鍵になる「Progressive Web Apps(PWA)」の影響があるようだ。

 Windows 10の標準ブラウザ「Edge」を強化すべく、Microsoftはリソースをさらに投入しつつあるようだ。

Edge Windows 10標準ブラウザの「Microsoft Edge」

 Microsoftの最新事情に詳しいブラッド・サムス氏は4月11日(米国時間、以下同)、米Thurrott.comに投稿した記事で、Windows 10の開発に関する“ある変化”を伝えている。

 関係者によれば、同社はWindows 10に標準でバンドルされているアプリ群(NewsやWeatherなど)を開発するメンバーに対し、「Edgeのチームに参加」するよう配置転換の打診を行っているという。また、2018年10月ごろに配信予定のWindows 10大型アップデート「Redstone 5(RS5、Version 1809)」で搭載予定だった機能が一部キャンセルされ、そのメンバーにもEdgeチームへの参加を促しているというのだ。

 これが3月29日に明らかになった大規模な組織再編と連動しているかは不明だが、同社のWindows 10ならびにアプリに対するスタンスの変化を象徴する動きのようにも思える。

 5月初旬に米ワシントン州シアトルで開催される開発者向けカンファレンスのBuild 2018で、こうした話題についても触れられると予想しているが、今回は背景を少し探っていく。

Edgeを強化する鍵となる「Progressive Web Apps(PWA)」

 MicrosoftがEdgeを猛プッシュするのは今に始まった話ではない。最近ではRS5に「Mailのリンクは全てEdgeで開く」という我田引水と思われかねない新機能も搭載したほどだ。

 ただ、今回は対抗となるブラウザの「Google Chrome」や「Mozilla Firefox」へのけん制というよりも、「Windows 10のWebアプリ実行プラットフォームとしての性能を強化する」という意図が強いようだ。

 その鍵を握るのは「Progressive Web Apps(PWA)」だとみられている。PWAは、簡単にいえば「Webアプリをデスクトップアプリやモバイルアプリとして実行する仕組み」だ。オフライン動作やバックグラウンド動作、各種通知サービスまで、従来はネイティブアプリでなければ実現できなかったような機能を利用できる特徴がある。

 もともとはGoogleが主導していた仕組みであり、ChromeやFirefoxがサポートしている他、Windows 10のEdgeも2018年春の大型アップデート「Redstone 4(RS4、1803)」(最近では「Spring Creators Update」の名称がうわさされている)で対応する。

 2017年9月に開催されたMicrosoft Edge Web Summit 2017でMicrosoftは、2018年における重点目標の1つとして「Windows 10におけるPWAのサポート」を挙げている。実際、RS4の一般配信開始を前にして、既にMicrosoftストアには多数のPWAアプリが出現し始めており、こうした動きは今後加速することになるだろう。

 PWAはその仕組み上、実行環境としてWebブラウザで動作するレンダリングエンジンなどを必要とする。Windows 10においては「EdgeHTML」がそれを担うことになるわけだ。サムス氏が報じた一連のMicrosoft内部における開発部隊再編の動きもまた、これを見越したEdgeの機能強化だと考えればしっくりくる。

Edge Microsoftが掲げる2018年の重点目標の1つに、Windows 10でのPWAサポートがある

 かつてMicrosoftは、Windows 10ファミリーで推進する新しい共通アプリの実行基盤「Universal Windows Platform(UWP)」を広めるべく、他のプラットフォームで動作するアプリをUWPアプリにする「Bridge」という仕組みを発表し、注力していた。

 Windows 7以前のデスクトップアプリをWindows 10以降の“モダン”な実行形式であるUWPに変換するツールの「Project Centennial」こと「Desktop Bridge」は、その代表例に挙げられる。

 一方で発表当初に4種類あったBridgeのうち、最も早くリリースされたものが「Project Westminster」だった。これは、Webアプリをカプセル化してUWPにする仕組みであり、これによってMicrosoftストア経由で配信できるようになる。ある意味で、今回のPWAプッシュはこの延長線上にある。

 なお、残りのBridgeにあたる「Project Astoria」と「Project Islandwood」は既に計画がキャンセルされた。現在のMicrosoftは、モバイルプラットフォーム向けアプリ開発のリソースを買収したXamarinに集中している他、Apache Cordovaのような仕組みを推奨しているようにみられる。

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