さわってナンボのOSだ──まとめて覚える! Windows 8のタッチ操作鈴木淳也の「お先に失礼! Windows 8」(1/2 ページ)

» 2012年10月03日 16時30分 公開
[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]

「Windows 8スタイル」と「デスクトップ」で異なるタッチ操作

 Windows 8には、大きく分けて2種類の動作モードがある。1つが従来のWindowsで長らく標準的なユーザーインタフェース(UI)として利用してきた「デスクトップ」で、もう1つがWindows 8で新たに導入する「Windows 8スタイル」と呼ぶUIだ(後者は以前まで「Metroスタイル」という名称だったが、現在では「Windows 8スタイル」の名称で統一されている“よう”なので、この本連載でも合わせることにする)。

 Windows 8スタイルのUIは、スレートタイプのタブレットPCでタッチ操作を想定した作りだ。Windows 8スタイルに対応したアプリも、全体にアイコンやフォントが大きく、画面表示も全画面モードのみでコンテンツ閲覧を重視している。一方、ドキュメントの入力といった細かい作業は、依然としてデスクトップが適している。Windows 8のUIを意識した次世代のMicrosoft Officeもデスクトップ上で動作する。さらに、ファイルのコピーやOSの設定などを行う場合も、強制的にデスクトップモードへ移動する。デスクトップモードもWindows 8スタイルモードも互いに補完関係にある。ユーザーは、適時使い分けていくことが必要だ。

 とはいえ、「Windows 8スタイル」と「デスクトップ」でモードが明確に分かれているわけではない。操作の過程で両者を何度も切り替えながら作業することになる。Windows 8を起動した直後は「Windows 8スタイル」のスタート画面を表示する。起動から直接「デスクトップ」に進むことはできない。

 一方で、このスタート画面から従来のWindows向け(デスクトップ対応)アプリケーションを起動できるほか、デスクトップ対応アプリケーションと関連付けたファイルを保存するUSBメモリをPCに接続すると、「デスクトップ」画面に移動して関連付けたアプリケーションが動作したり、エクスプローラが起動してファイル一覧を表示したりする。

 しかし、ほかのアプリケーションを起動したり、アプリを切り替える場合には「Windows 8スタイル」の画面に戻ることになる。やや複雑だが、デスクトップモードとWindows 8スタイルにおける挙動の違いとモードの移行に慣れることがWindows 8を“攻略”する第一歩だ。

発売最終バージョンのRTM版における、Windows 8スタイルのスタート画面(写真=左)。Windows 8のデスクトップ画面。スタートボタンはなく、アプリケーションを切り替えるには、一度Windows 8スタイルのスタート画面に戻る必要がある(写真=右)

Windows 8のタッチ操作に慣れる

 PCメーカー各社の製品企画担当者は、その多くが「今後ほぼすべてのPCがタッチパネルを搭載して、Windowsでもタッチ操作が当たり前でごく自然なUIとなる」と考えている。Microsoftは「Windows 8ではタッチ操作だけでなく、同じ画面でマウスやキーボードも利用できる」と訴求するが、マウスやキーボードを中心とした操作は、アプリケーション開発者や一部のプロフェッショナルなど、ごく限られたユーザーが使うUIとなり、コンテンツを消費する大多数のユーザーは、タッチ操作が中心になっていくと考えている。Windows 7以前のOSを導入したPCはその限りではないが、これから登場するWindows 8対応のPCは、デスクトップPCであれノートPCであれ、その多くがタッチパネル搭載が一般的になるだろう。

 Windows 8で使うタッチ操作は、基本的に、現在すでにタッチ操作が主体のiPhoneやiPad、そしてAndroidといった、スマートフォンやタブレットデバイスに近い。アイコンやリンクを“タッチ”することで“選択”操作を行い、画面をタッチしたまま指を上下左右に動かすことで、画面のスクロールや切り替えができる。2本の指を開いたり閉じたりすることで画面の拡大と縮小を行え、“ドラッグ”操作を行うことでアイコンの入れ替えもできる。このあたりの操作を覚えるのはそれほど難しくない。

 だが、Windows 8は“特有”のタッチジェスチャーが存在するので、この操作に慣れることが重要になる。

Windows 8特有で主要なタッチ操作を確認する

 Windows 8では、画面端から中央部に向かって指をなぞることで、システム動作を切り替えるジェスチャー入力を採用している。画面左端から中央部に指をなぞると、直前まで実行していたアプリ(またはメニュー)の画面が左端からサムネイル形式で出現し、それを中央部までそのまま持ってくることで直前のアプリに切り替えられる。画面右端から中央部へ向かって指をなぞると、こんどは「チャーム」(Charm)と呼ぶメニューと「日付/時間」が出現する。さらに、画面上端、または、下端から中央部に指をなぞると、使っているアプリで利用するメニュー画面を表示する(アプリによっては表示しない場合もある)。この画面端(エッジ)から中央部に指をなぞる操作は、Windows 8で固有もので、どのアプリを起動していても機能する。

Windows 8特有のタッチジェスチャーを示してみた
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