「チャーム」とは、Windows 8全般を通して有効な“共通メニュー”として利用できる。「検索」「共有」「スタート」「デバイス」「設定」の5つの項目があり、どのアプリやメニューが起動中でも呼び出せる。ただし、個々の動作は呼び出したときに起動しているアプリによって異なる。「検索」は、スタート画面で「アプリ一覧の検索」「システムを横断したファイル検索」が中心なのに対し、地図アプリでは「場所の検索」であったり、Internet Explorerでは「インターネットでのキーワード検索」であったりする。ほかも同様で、「共有」であれば共有対象となるコンテンツがアプリによって異なり、「設定」では開く設定メニューが異なってくる。なお、「スタート」については、ここのWindowsアイコンを“タッチ”すれば必ず「スタート画面」に戻る。
ここまでは、Windows 8のタッチUIを発表した時点ですでに決まっていた基本操作だ。ただ、何度かのβ版リリースを経て開発のブラッシュアップが進むにつれて、新たな操作を追加している。
代表的なのが「セマンティックズーム」で、スタート画面で2本指を“つまむ”ように操作すると、スタート画面全体を縮小表示したような状態になる。アプリを多数インストールすると、スタート画面には数十個から百数十個のアイコンが並ぶようになる。こうなると、画面をスクロールしながら目的のアイコンを探すのが面倒だ。そこで、セマンティックズームで全体を表示しつつ、目的の項目を“タップ”して直接移動することで、素早い操作が可能になる。
この「セマンティックズーム」操作は、アプリ内でも有効だ。表示しているメニューが階層構造になっている場合、セマンティックズームのジェスチャーで「親階層のメニュー」に移動できる。ただし、アプリ内セマンティックズームは個々の実装によるので、Microsoftが示すソフトウェアの開発ガイドラインから外れたアプリでは使えない場合もある。
画面左端から中央部に向かって指をなぞる操作で、直前に実行していたアプリのサムネイルを表示する。そのまま指を動かしてサムネイルを中央部へと持っていくとサムネイルのアプリに画面が切り替わるが、サムネイルを画面左端に押し戻す操作を行うと、画面左端に「過去に実行したアプリ一覧」を表示する。一覧で表示したサムネイルを“タッチ”することで、目的のアプリにワンアクションで切り替えられる。
この操作では、画面左端からアプリのサムネイルが出現したのを確認したら、すぐにそのまま左端まで指を戻す。指の戻しが遅れると、一覧を表示する前にアプリが切り替わってしまったり、「スナップビュー」(Snap View)」と呼ぶ分割画面を表示してしまう。スナップビューが出現した場合、2つの画面を分割している“縦棒”を“タップ”したまま画面左右へと移動し、消したいアプリの実行ウィンドウを画面の外に“押し出す”とそのアプリは画面から消えてバックグラウンドに回る。
Windows 8特有のジェスチャーの中で、最近追加したのが「アプリの終了」だ。最初に公開したWindows 8のβ版には、一度実行したアプリをタッチ操作だけで簡単に終了する方法が存在しなかった。一度実行したアプリは、バックグランドに回るとメモリの一部を占有したまま休止状態になる設計だったからだ。だが、最新の製品版では不要なアプリはユーザーが適時終了して整理できるようになった。
タッチ操作による終了方法も簡単だ。終了したいアプリを実行している状態で、指を画面上端から中央付近まで移動すると、いったんアプリがサムネイル状態となり、そのまま下端まで指を移動するとアプリが終了する。なお、このサムネイル状態で左右に指を移動すると、スナップビューの状態になって左右に分割した状態になる。使う機会は少ないかもしれないが、アプリを素早く終了/切り替えるためのテクニックとして覚えておくといいだろう。
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