米Microsoft直営店でiPhoneやAndroidが目立っている理由鈴木淳也の「Windowsフロントライン」

» 2016年12月28日 07時00分 公開

 米国のホリデーシーズンと言えば、感謝祭直後のブラックフライデーに代表される小売店のセールスが楽しみな時期だ。年末商戦で盛り上がる日本の百貨店や量販店をイメージしていただければ分かりやすいだろう。

 日本には進出していないが、米Microsoftはリアル店舗としてのMicrosoft Storeを米国内に複数出店しており、クリスマスムードの中でセールを実施中だ。今回は米カリフォルニア州パロアルトにあるStanford Shopping Center内のMicrosoft Storeを訪ねてみた。

Microsoft Store 1 米カリフォルニア州パロアルトにあるStanford Shopping Center内のMicrosoft Store

iPhoneやAndroidスマホが目を引くが……

 同店ではセール対象のほとんどがPC本体に集中していて、アクセサリーやソフトウェア狙いだった筆者にはあまり魅力的な製品はなかったのだが、ちょっと気になる店内の変化があった。なんとAndroidとiOSデバイスの専用コーナーが設置されていたのだ。しかも、店内の結構なスペースを確保しているではないか。

 これはデバイスやアプリを販売するためではなく、Microsoft純正アプリがAndroidデバイスやiPhone、iPadで動作することを紹介するためのコーナーではあるのだが、肝心のWindows 10 Mobileデバイスが片隅へと追いやられ、ほそぼそと販売されているのと比較すると、Microsoftの主眼はもうデバイス自体にはないのではないか、と思えてくる。

Microsoft Store 2 Microsoft Storeの結構なスペースを陣取るAndroidとiOSデバイスのコーナー

 ちなみに、Windows 10 Mobileスマートフォンのフラグシップモデルである「Lumia 950」と「Lumia 950XL」はセール対象で、有線でのContinuumを試したいというユーザーには悪くないと思える価格設定となっていた。先行きが不透明なWindows 10 Mobileだが、一方でARMデバイス向け拡張技術の研究も進んでおり、Microsoftとしてはフェードアウトさせる気はまだないという見方もできる。

Microsoft Store 3 Microsoft StoreにおけるWindows 10 Mobileの展示スペースは半年前と比較しても縮小した印象。エンタープライズ分野への注力で、コンシューマー市場から距離を置きつつあることの反映だろう

Windowsワールドを楽しんでもらうための店作り

 もっとも、Microsoftの元気がないというわけではない。個人的な印象だが、Microsoft Store内ではMicrosoft製デバイスや製品が必ずしも店内のスペースを多く確保しているわけではない一方で(サードパーティー中心の市場なので当然なのだが)、「Microsoft+Windows」の世界をうまく見せて、来店者を楽しませる工夫が凝らされている。

 Microsoft Storeは販売拠点として必ずしも大きな売上を計上しているわけではないだろうが、米国のショッピングモールなどに必ずセットで存在するApple Storeと比較すると、より来場者を楽しませて体験してもらうことに比重を置いていると言える。

 例えば、今回訪れたStanford Shopping Center内のMicrosoft Storeでは、Oculus Riftを使ったVR(仮想現実)コンテンツの体験コーナーがあった。店内にはこうした体験コーナーが複数あり、Kinect for Xbox Oneを含め、Windows関連の新技術やそれを生かした遊びを知るには最適な場所となっている。

 Appleは米サンフランシスコ市内中心部の新店舗「Apple Union Square」でGenius Barさえ排除した新業態のコミュニティースペースをアピールしているが、Microsoftが2017年に大々的に市場投入しようとしているVR/ARのような技術の紹介には、このStanford Shopping Centerで見かけたような展示の方が有効なのではないだろうか。

Microsoft Store 4 Oculus Riftを使ったMicrosoft Store内のVR体験コーナー

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