2017年10月に米Microsoftのジョー・ベルフィオーレ氏が事実上の終息宣言を出した「Windows 10 Mobile」。現在は既に新機能の開発を終了してメンテナンスフェーズに突入しているが、ついにWindows Insider Programでの新ビルドの提供も終了したことが話題となっている。
Windows Insider Programとは、Windowsの開発プレビュー版「Windows 10 Insider Preview」の新バージョン(ビルドと呼ぶ)を一般公開前に試用し、開発側へフィードバックすることで製品改善に役立てるというMicrosoft提供のプログラムだ。
このプログラムには、開発者やIT管理者だけでなく、Windowsの開発に参加してみたいという一般ユーザーも無料で登録できる(ただし、Insider Previewは不具合も多く注意が必要)。
Windows 10 Mobileにおけるプレビュー版の新ビルド提供終了は、2018年1月24日(米国時間)、Windows Insider Programチームのシニアプログラムマネジャーであるブランドン・ルブラン氏がツイートして明らかになった。
同日にWindows Insider Program参加者のFast Ringユーザー向けにWindows 10 Insider Previewの「Build 17083」の配信がスタートしたが、それを報告する同チームのドナ・サルカール氏に対し、あるユーザーが「Mobileは?」と質問したところ、ルブラン氏が答えたのがこのツイートとなる。
リプライを見る限り、ユーザーの間で混乱がみられるが、その返答はあくまで「Insider Programでの提供が終了する」の一点張りだ。
もっとも、新機能のテストやデバッグがWindows Insider Programの役割だと考えれば、メンテナンスフェーズに入ったWindows 10 Mobileでわざわざ対象を広げてテストを行う必要はない。内部での最低限での利用にとどめ、顧客から直接リクエストを吸い上げて反映する体制に移行すれば十分だろう。
ただ残念なのは、現在Windows 10 Mobileで提供されているのは「Redstone 2(RS2)」の「feature 2」と呼ばれるバージョンであり、これが「Fall Creators Update」の名称で配信されていることだ。機能的にはPC版の「Creators Update」の機能が一部実装された状態であり、これがほぼ実質的な最終バージョンとなる。
2018年3月ごろにはPC向けにWindows 10の次期大型アップデート「Redstone 4(RS4)」が提供される予定だが、恐らくは今後Windows 10 MobileにRS4のようなアップデートが配信されたとしても、内容的には既存のfeature 2にバグ修正を施したセキュリティアップデートに近いものになるだろう。
Windows 10 Mobile搭載スマートフォンのユーザーは、この点に注意したい。
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