「Adamo」とまじめに恋バナを咲かせた――実力編:ただのイケメンではない(2/2 ページ)
発売から約2週間が経過したデルの新型スリムノートPC「Adamo」だが、生産が追いつかないほど人気を博している。気になる性能はどうなのだろうか。
SSDの採用で軽快な動作を実現
さまざまなデザインギミックを施したAdamoだが、実際のパフォーマンスはどれほどのものだろうか。Windowsエクスペリエンスインデックスのスコアは下の画像の通りで、メモリのスコアを除けば、ほぼ同じような構成の「Latitude E4200」に近いスコアを記録した。チップセット内蔵のグラフィックス機能のため、グラフィックス系の値は物足りないが、メモリやプライマリハードディスクは最高値の「5.9」となっており、Vistaを快適に利用できる。
定番のベンチマークテストでは、3Dの描画性能こそ低調だが、PCMark05のHDDスコアはSSDの採用により、一般的なHDDよりもかなり高速な結果を残している。ひよひよ氏作の「CrystalDiskMark 2.2.0」でSSDのシーケンシャル/ランダムのリード/ライト性能を計測したところ、こちらもLatitude E4200に採用されていたMLCタイプのSSD(本機と同じサムスン製)と同傾向のスコアだった。最新のSSDに比べると、シーケンシャルリード/シーケンシャルライトともにいまひとつの成績だが、Vistaのレスポンスは良好だった。
発熱や騒音、バッテリーの駆動時間はどうなのか
気になるバッテリー駆動時間は、海人氏作の「BBench 1.01」を利用して計測した。液晶ディスプレイの輝度センサとキーボードバックライト、およびワンタッチボタンのライトはオフ、画面輝度は最高、「バランス」の電源設定で、10秒おきにキーボードを押下、60秒ごとに無線LAN(IEEE802.11n)によるインターネット巡回(10サイト)を行う設定でテストしたところ、駆動時間は166分だった。バッテリー駆動期間の公称値は約5時間で、実測値は約半分程度だったが、輝度はまぶしく感じられるほど明るく16段階の調整が可能なため、最低輝度に落とせば駆動時間をさらに延ばすことができるだろう。
ボディの発熱は、低負荷時で気になるところはなく、背面左側に配置された冷却ファンの風切り音も静かだった。一方、高負荷時は排気口付近が40度(室温は25度)近くになったものの、底面は35度前後、パームレストやキーボード面は30度前後に収まり、手の触れる部分で熱く感じられるところはなかった。ただ、排気ファンが高速に回転するため、静かな環境では風切り音が少々耳障りに感じられた。
話題を集めたAdamoだが、現時点では同社の想定した以上の台数が売れているようで、原稿執筆時は約2週間の納期が必要だった。超低電圧版のCPUを採用したゼロスピンドルのPCでありながら重量が約1.81キロと、これまでのモバイルPC/スリムPCの概念とは異なる次元にあるAdamoだが、逆をいえば重量や携帯性よりもデザインを最重視し、16.4ミリというフラットなボディを獲得するために逆算した結果が本機だったのだろう。何より、ガラスやアルミをふんだんに取り入れたボディは人目を引くし、一見の価値が大いにある。
いずれにせよ、同社が満を持して投入したモデルであり、今後の方向性を占うという意味でも注目に値するモデルであるのは間違いがなさそうだ。
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