“イマイタ”と“ベンチマークテスト”で復習する2009年のPCパーツ:イマドキのイタモノ(2/2 ページ)
2009年の“イマイタ”に登場したのは、CPU14モデル、GPU(グラフィックスカード)9モデル、マザーボード11モデル。PCパーツの進化と変化を“グラフ”で振り返る。
Radeon HD 5000シリーズはGPU市場を奪回したか?
GPUでは、NVIDIAのGeForceシリーズもAMDのRadeonシリーズも、「GPUコンピューティング」をコンシューマーユーザーに向けて訴求した。もちろん、従来からの「3Dゲームにおける性能」もユーザーが注目するところだが、2009年に投入されたNVIDIAのハイエンドGPUは、GeForce GTX 275という「ハイエンドの下位モデル」だけで、ほかは、1万円前後のグラフィックスカードに採用されるモデルがほとんどだった(GeForce GT 240のレビューについては、GeForce GT 240の“存在意義”を考えるを参照のこと)。
2009年の“イマイタ”レビューで2009年最初に登場したGPUの「Radeon HD 4890」は、当時、Radeon HD 4000シリーズの最上位モデルとして投入されたが、ベンチマークテストの結果はGeForce GTX 285にかなわず、その直後に掲載したGeForce GTX 275との”直接対決”でも、重負荷条件でようやく差を詰めるという状況だった(Radeon HD 4890とGeForce GTX 285で測定したベンチマークテスト結果の比較はGPUの2009シーズンは本日開幕──Radeon HD 4890でベンチを走らせるを、Radeon HD 4890とGeForce GTX 275で測定したベンチマークテスト結果の比較はまさに“がっぷり四つ”!──Radeon HD 4890とGeForce GTX 275をそれぞれ参照のこと)。
しかし、2009年9月にリリースされた「Radeon HD 5870」のベンチマークテスト結果は、GeForce GTX 285を大きく上回った。実売価格が5万円台であったこともあって、Radeon HD 5870はGeForce GTXのハイエンドモデルを完全に押さた感があった。ただし、売れるのに物がない状況が、年が変わろうとしている今になっても改善されていない。
ベンダーの独自技術を積極的に訴求する
Intel P55 ExpressやAMD 785Gシリーズなど、コストパフォーマンスに優れたプラットフォームがインテルとAMDの両者から2009年の第3四半期に登場した。新しいチップセットを搭載したマザーボードについては、ベンチマークテストにより性能検証のほか、フォトレビューなどで実装された機能を中心に“イマイタ”レビューで紹介してきたが、そのなかで目立っていたのが、ベンダーが開発した独自機能の訴求だった。
特に、オーバークロックを支援する機能や外付けユニットについては、ASUSのマザーボードに実装された「OC Station」や「ROGコネクト」、MSIのグラフィックスカード「N260GTX Lightning」に用意された「Air Force」などが注目を集めた(OC Statoionの詳細についてはASUSの「OC Station」で縦横無尽にオーバークロック!を、ROGコネクトについてはLynnfieldで使えるR.O.G.マザー!──「Maximus III Formula」の新機能で遊ぶを、Air Forceについては遊び心を刺激するAir Forceに注目──「N260GTX Lightning」を楽しむを、それぞれ参照のこと)。
2010年には、32ナノメートルプロセスルールを導入したインテルの“Westmere”コアがバリュークラスCPUに投入され、NVIDIAの新世代GPUアーキテクチャでGPUコンピューティングに最適化されるという“Fermi”を採用したモデルのリリースがGeForceシリーズでも予定されている。今までとは違う、新しい方向への進化を予感させるPCパーツの動向を、2010年も“イマイタ”レビューで紹介していきたい。
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