“ゲーム派”に贈る2010年夏の液晶ディスプレイ選び:夏のバイヤーズガイド(2/2 ページ)
液晶ディスプレイで表示の難しいコンテンツの1つがゲームだ。ゲームソフト側が作り込まれていても、それをキチンと表示できる環境がなければ魅力は半減してしまう。
中間フレーム作成で幅広い動画を滑らかに表示
次に前ページで挙げた(2)のタイプ、つまり「中間フレーム作成」機能による滑らかな映像表示を実現している製品を見ていこう。これにはナナオの「FORIS FX2301TV」と三菱電機の「RDT232WM-Z(BK)」が該当する。
中間フレーム作成は「倍速補間」とも呼ばれており、大型液晶テレビと同様、標準的な毎秒60フレームの動画コンテンツを映し出す場合、前後フレームの差分から中間フレームの映像を作り出し、1秒間120フレームの映像とすることで、残像感の少ない滑らかな動画表示が行える機能だ。この機能は単に「倍速駆動」と呼ばれることも多いが、PC向けの液晶ディスプレイでは前ページで紹介したように、中間フレームの作成をせず、120Hz表示を行う製品もあるため、混同しないよう注意が必要だ。
FORIS FX2301TVとRDT232WM-Z(BK)は中間フレームの作成を行える一方、垂直同期周波数120Hzの映像入力はサポートしないため、60fps超のPC用3Dゲームなどを120Hz駆動でクッキリ表示したり、NVIDIA 3D Visionによる3D立体視映像を楽しむことはできない。とはいえ、ゲームに限らず、DVD-Videoやネット上の動画コンテンツなど、幅広い映像で中間フレーム作成による動画ブレ低減効果が得られるのは大きな魅力といえる。
ちなみに、中間フレームの作成には処理時間がかかるため、高速なレスポンスを要求されるゲームでは、コントローラーの入力タイミングに対して、画面表示のタイミングがわずかに遅れてしまうこともある。そのため、これら2製品は中間フレーム作成などの映像処理をスキップすることで、映像入力から表示までの遅延時間を抑える「スルーモード」も搭載している。スルーモードを適用すれば、FPSや格闘ゲーム、リズムアクションゲームなどを軽快にプレイすることが可能だ。
反対に、ムービーシーンのグラフィックスにこだわったRPGやアドベンチャーゲーム、入力タイミングがシビアではないアクション系やスポーツ系のゲームなどでは、スルーモードを使う必要はなく、中間フレーム作成を行うことで、滑らかな動画表示の恩恵が得られる。つまり、対応できるゲームの幅が広い。
FORIS FX2301TVとRDT232WM-Z(BK)は、中間フレーム作成以外にもゲーム向けの画質モードやスケーリング機能、各種設定が手元で行える付属リモコンなど、豊富な付加価値を備えていることにも注目したい。
FORIS FX2301TVは音声面に注力しており、セガと共同開発したヘッドフォン向けバーチャル5.1chサラウンド機能や、カバーを着せ替えできる大きめのステレオスピーカーを装備しているのも特徴だ。特にヘッドフォン向けバーチャル5.1chサラウンド機能は、サラウンド対応ゲームで敵や味方の位置関係を把握するのに役立ち、ゲームをより快適にプレイしたり、臨場感を高めてくれる効果がある。また、地デジチューナーや豊富な端子類も備えた高級ゲーミングディスプレイにまとまっている。
RDT232WM-Z(BK)は、中間フレーム作成による映像視聴を重視したモデルだが、ゲーム向けの機能も多彩だ。「ながら視聴」に適したPinP機能を備えており、子画面やマウスで指定した範囲のみ超解像を適用できる機能も持つ。映像ソースに応じて、超解像の強度を10段階で細かく調整できるのは便利だ。こちらはバーチャルサラウンド機能や地デジチューナーを搭載しないが、そのぶん価格が抑えられている。
このように120Hz駆動の液晶パネルを採用したディスプレイでも、搭載する機能によって適したゲームジャンルは異なる。PCと接続し、60fps超のフレームレートで高解像度の3Dゲームをやり込んだり、3D立体視によるゲーム体験を味わいたいなら(1)のタイプ、家庭用ゲーム機との接続を含め、より幅広いゲーム・動画用途で高画質かつ滑らかな映像表示を求めるなら(2)のタイプが有力候補になるだろう。
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関連リンク
- LGエレクトロニクス・ジャパン「W2363D-PF」
- デル「Alienware OptX AW2310」
- 日本エイサー「GD245HQbid」
- ナナオ「FORIS FX2301TV」
- 三菱電機「RDT232WM-Z(BK)」
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