海外プリペイドSIM導入マニュアル──「オーストリア・ウィーン2013年」編:「他国よりカンタンに買える」海外定額データ通信(3/3 ページ)
今回は芸術的に美しい街並みが魅力の、音楽の都「ウィーン」に訪れた。ヨーロッパの各国と比べても「すごくラク」にプリペイドSIMカードが入手できる都市である。
USBモデムセットはMVNOが狙い目
SIMロックフリースマートフォンを持っていない人は、現地でUSBモデムあるいはWi-Fiルータを調達するのもいいだろう。
一応、前述した通りSIMロック付きのプリペイド機器であってもあまり安くはない。前回のポルトガル・リスボンはVodafoneのWi-Fiルータが約50ユーロ(約6059円)だったが、ウィーンでは100ユーロ弱(約1万2118円)とお高め。USBモデムのセットも各事業者ともに50ユーロ(約6059円)から60ユーロ(約7258円)といったところだった。大手事業者の最安値はT-Mobileの3Gバイト付きプリペイドSIMとUSBモデムセットで、価格は44.99ユーロ(約5442円)。悪くないが、もっと安いものがMVNOにある。
今回見つけたのは、ウィーン中央駅上のMedia MarktにあったMVNO、Ge OrgのUSBモデムセット。価格は39.99ユーロ(約4112円)だ。付属のプリペイドSIMカードは5Gバイト分のデータ量が付属しているとのことで、USBモデム込みながら1Gバイトあたり1000円以下と比較的割安。親回線もT-Mobileということで問題はなさそうだ。難点と言えば、Media Marktはクレジットカードが利用できないことか。現金払いを強いられたので支払い時は少し注意してほしい。
USBモデムはZTE製「MF195」。PCのUSBポートに差すとドライバと接続ソフトウェアのインストールが始まる、いわゆる“ゼロインストール”対応のものだ。ちなみにこのSIMカードにもPIN番号が設定されているので、インストール終了後、データ通信を始めたときにPINの入力が必要となる。くれぐれもPINが記載されているSIMカードの台紙は捨てずに保管しておいてほしい。
あとは接続ソフトの「Connect」ボタンを押せばインターネットネットにつながる。接続ソフトから簡易的に利用状況も確認できる。初期の5Gバイトを使い切ったら、残高追加用のバウチャー(iTunesカードのような仕組みのプリペイドカード)を購入し、その番号を接続ソフトより入力すればいいようだが……今回はこのGe-Orgのバウチャーをどこで入手すればいいのかは確認できなかった。ま、短期滞在なら5Gバイトもあればたいていは大丈夫なのだが……どなたかご存じであれば教えていただきたい。
オーストリアはデータ通信料金が安く、SIMカードも買いやすいのがとても心地よかった。ヨーロッパでここまでスムーズなのは久しぶりだ。
USBモデムやWi-Fiルータがやや割高ということもあり、オーストリア渡航においては、なんとかテザリングもできるSIMロックフリースマホを入手し、持参することをお勧めしたい。
山根康宏 :香港在住の携帯電話研究家。一企業の香港駐在員時代に海外携帯電話に興味を持ち、2003年に独立。アジアを中心とした海外の携帯電話市場の状況や海外から見た日本の携帯電話市場についてなど、海外の視点からコラムや記事を日本のメディアに執筆するほか、コンサルティング活動も行う。携帯/SIMカードコレクターとしても知られ、所有する海外端末数は1000台以上(2013年1月時点)。
[Information] グローバルデータで空港レンタル「オーストリア」:Wi-Fiルータ型を1280円/日でレンタルOK
オーストリア渡航時のデータ通信手段確保は、国内のレンタルルータ事業者を利用するのも手軽で便利な手段だ。
海外渡航者向けの海外対応データ通信機器をレンタルできるサービス「グローバルデータ」では、タブレットやスマートフォンなどでも便利に使えるWi-Fiルータ型を1280円/日から、Windows/Macで利用できるUSBモデム型を1080円/日よりレンタルできる「オーストリア 定額プラン」(対象国C)、あるいはヨーロッパ40カ国で使える「ヨーロッパ周遊タイプ」を用意する。
レンタル申し込みは同社Webサイトで行える。機器の受け取りは、宅配か空港受取りにて。出発日2日前17時までの申し込み(成田、羽田は申し込み日が平日の場合、前日17時)で、出発当日に成田、羽田、関西国際、中部国際の各空港で受けとることも可能となっている。
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