海外プリペイドSIM導入マニュアル──「ラオス・ビエンチャン2013年」編:「1日定額65円!」な海外定額データ通信(3/3 ページ)
ラオス・ビエンチャンは国を代表する都市とは思えぬのんびりした雰囲気が旅行者に人気。そのビエンチャンの通信事情はどうか、現地のプリペイドSIMカードとデータ通信端末を購入してみた。
使いやすいUnitel、だがデータプランは端末依存
UnitelプリペイドSIMカードのAPN設定 | |
---|---|
APN | unitel3g |
ユーザー名 | mms |
パスワード | mms |
もう1つ、空港でも購入できる“はず”だったUnitelのプリペイドSIMカードも買おう。こちらは前述したタラートサオで改めて購入した。所持するSIMロックフリーのスマートフォンにSIMカードを入れ、スマートフォンのテザリング機能により、PCでもインターネット通信を共有したい人に向く使い方だ。
UnitelのプリペイドSIMカードは複数の種類があるが、短期利用でいわば使い捨てにするなら基本的にどれを買っても料金はほぼ同じだ。一応、SIMカード購入時にバウチャーも買っておくことはお忘れなく。
起動後、次の流れで利用開始登録を行う。
- 1.「121」へ電話発信し、自動音声案内の指示に従って言語を英語にする
- 2.「*122#」に電話発信し、念のため残高を確認。SIMカード製品によっては開通ボーナスが付く場合もある
- 3.3Gデータ通信を利用できるようにするコマンドを入力。「209」宛てに「3G」と記入したSMSを送信する
- 4.利用したいデータプランに応じて残高を追加する。「*121*バウチャー番号#」(例*121*11111111#)と電話発信
- 5.端末のデータ通信機能を「オフ」にする
- 6.APN設定を行う
通信設定のためのAPN文字列は上記の通り。ただし、ここではまだデータ通信はオフのままにしておく。
データ通信をひとまずオフにしておいたのは、APNを設定が済むとすぐにインターネットに接続され、“従量料金”でデータ通信が始まってしまうため。データ通信はデータ割引プランの申請が済んでからオンにするわけだ。
Unitelのデータ割引プランはスマートフォン向けとUSBモデム/Wi-Fiルータのデータ端末向けの2タイプがある。申請は電話番号「209」に、各プランの申請コマンドを送信すれば完了だ。
コマンド | 価格 | 有効期間/有効データ通信量 |
---|---|---|
MI5 | 5000キップ(約67円) | 1日/100Mバイト |
MI10 | 1万キップ(約133円) | 1週間/220Mバイト |
MI40 | 4万キップ(約535円) | 1カ月/1Gバイト |
MI100 | 10万キップ(約1339円) | 1カ月/2.5Gバイト |
(取材時/2013年4月時点の情報となります) |
コマンド | 価格 | 有効期間/有効データ通信量 |
---|---|---|
LTU5 | 5000キップ(約67円) | 1日/800Mバイト |
LTU120 | 12万キップ(約1607円) | 1週間/3Gバイト |
LTU200 | 20万キップ(約2678円) | 1カ月定額 |
LT50 | 5万キップ(約669円) | 1カ月/5Gバイト |
(取材時/2013年4月時点の情報となります) |
両者を比較すると、データ通信端末向けプランのほうがお得な傾向だ。……ただ、スマートフォンでデータ通信端末向けプランを申請してみると、この端末では不可との返答が戻ってくる。どうやらデータ端末向けプランは、USBモデムの接続ソフトからSMS送信しなくてはならないようである。Beelineは店員が普通の携帯電話からデータプランの申請を行ってくれたが、Unitelの場合は使用する端末の判断がきっちりとされているようである。
それでも1Gバイトまで利用でき、500円程度でたいていの渡航滞在期間全日をカバーできるなら十分低価格だ。テザリング機能の利用ももちろん問題なく行える。市内をざっと回ってみたところ、電波状況はBeelineよりUnitelのほうがよいように感じられた。
ビエンチャンは市内がほどよく狭いので、ショッピングモールのタラートサオへ行けばひとまず全てがそろう。そのため、プリペイドSIMカードを求めてあちこちさまよい歩く必要がないのはとても楽だった。
このほか、各社のプリペイドSIMカードをが意外渡航者も比較的ラクに入手でき、3Gエリアも広めでそこそこ高速。ビエンチャンのんびりのどかな街並みに対し、意外に……しっかりと快適なプリペイドデータ通信環境が得られたのは予想外だった。ラオス渡航時は参考にしてほしい。
山根康宏 :香港在住の携帯電話研究家。一企業の香港駐在員時代に海外携帯電話に興味を持ち、2003年に独立。アジアを中心とした海外の携帯電話市場の状況や海外から見た日本の携帯電話市場についてなど、海外の視点からコラムや記事を日本のメディアに執筆するほか、コンサルティング活動も行う。携帯/SIMカードコレクターとしても知られ、所有する海外端末数は1100台以上(2013年5月時点)。
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