タブレットPCは近年にない「業界リセット」 ワコム執行役員インタビュー山田 ディスプレイには「書ける」ことが当たり前になって、ペンがデフォルトになる。もちろんネットワークにも接続できるし電話もかけられる。そして、しゃべればある程度のことをやってくれる。可能性のひとつですが、そんなイメージを持っています。 現段階では進化の第一歩で、紙に追いつくにはまだまだですね。ディスプレイは角度が変わるだけで色が変わってしまいますし、素材としての寿命もあります。 タブレットPCとしては、技術の人に聞くとロードマップが見えてますから楽観的ですね。数年後に振り返ったときに「2002年がスタートだったんだな」と言えるくらいに、実は大きな動きなのです。 たいてい新しいものは叩かれますが、叩かれてつぶれるようなものではダメでしょう。しかしタブレットPCはいけると思っています。メーカーやベンダーは次が見えていますし、その進み方も速いです。在庫も確実に動いてます。次の段階への準備が進んでいますよ。 ボリュームは着実に増えてきている山田 私たちが扱うボリュームも、ここ数カ月で何倍にもなっています。だから現在は、次のボリュームの確保というところでキャッチアップを積極的に行っている状態です。台湾や中国を回りながらサイトを立ち上げています。先日マイクロソフトさんが予想の数字を発表しましたが、あの数字は確実に超えると思います。 先週も台湾を回ってきましたが、彼らは1年以上先を見ていろいろなことをやっていますね。その熱意はすごいですよ。タブレットPCを「お祭り」と捉えている方もいらっしゃいますが、ずっと続いていくものだということを認識させていかないとならないですね。 ZD Net 大出 タブレットPCは、御社の事業のコアになっていくのでしょうか? 守屋 当社の事業のコアは、やはりグラフィックスなどのクリエイティブなユーザーに向けた部分になります。ただ、デスクトップ向け、ハイエンド向けのペンタブレット事業と同じくらいに、モバイル向けも大きな事業分野になっていくとは思います。 山田 本業であるCGや工業デザイン、映画といった世界では10gの筆圧を認識する性能が要求されます。現在のタブレットPCではそこまでできませんし、需要もないでしょう。本業の方では、10gの筆圧やちょっとした品質の違いが感覚でわかる人たちがいらっしゃいます。このようなコアなユーザーの要求には応え続けていきたいと思っております。厳しい要求もありますが、そこから新しいアイデアに発展することもあります。タブレットPCは別のプラットフォームとして割り切って考えています。 ZD Net 大出 タブレットPCの山は大きくなっていきますか? 守屋 なっていくでしょう。さまざまな分野で注目されていますから。学校などでは電子黒板として多人数で共有したりできますし、何より先生が黒板に向かわず生徒を見ながら授業できます。 また、タブレットの技術を使用したプリクラも人気を集めています。これは同時書き込みにも対応していますよ。あとはゲームです。ペンというデバイスはマウスと同じことができる上に、より細かく速く操作できます。Direct Xにも対応しています。ネットワークゲームに勝つためにタブレットを使う人もいるくらいですから(笑)。 ソフトウェアコンテストが開催されていますが、今までと違った発想でどんな新しいものが出てくるか楽しみです。ゲーム業界の人たちも注目していただいているようです。 山田 それにタブレットPCは、PCを使わない人、使ったことがない人でも簡単に操作できます。PCを知っている、キーボードとマウスに慣れてしまっている人は堅くなってしまっているんですね。当社ではタブレットPC業界を1から育てていくつもりでがんばっていきたいと思っています。 [大出裕之, ITmedia ] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. FeaturesPICK UP
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