創作欲をそそるタブレットPC版水彩ソフト「水彩6」

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 キャンバスはレイヤーになっており、レイヤーは10階層まで重ねられる。1枚目のレイヤーに鉛筆で下絵を描き、その上に新しいレイヤーを作成して色を塗っていくといいだろう。画材は筆や鉛筆のほか、ペン、マーカー、スプレー、エアブラシ、ぼかしやにじみ用の水筆、油絵の具、クレヨンなど多彩に用意されている。もちろん消しゴムもある。

最初のレイヤーに鉛筆でした絵を描き、新たなレイヤーを重ねて彩色すると楽だ。画材の変更はツールバーのボタンで行う(クリックすると拡大します)

 設定パレット群の一番上にあるのが、本ソフトの特徴ともいえる「パレット」で、実際に水彩画で使用するパレットをそのまま再現している。パレットの上部にある数種類の色が「絵の具」で、ここで色を選んでパレットに広げる。さらにほかの色を選びパレット上で混ぜることで色を作っていくのだ。混ぜる量や混ぜ合わせ方によって微妙に色が変わるあたりまで、見事に再現されている。作成した色を保存したり、パレットを洗い流すこともできる。

実際に水彩画で使用するようなパレットがうまく再現されている。ここで絵の具を混ぜて色を作るわけだが、パレットのサイズ変更も可能にしてほしいところ

絵の具の配分や筆の太さ、向きまで設定可能

 色が決まったら、オプションウィンドウで絵の具の量と水の量を調節する。絵の具の量を多くすると色と境界がはっきりし、水を多くすると色や境界が淡くにじむ。一定以上筆を進めると色が出なくなり、一度塗った部分に重ね塗りをすると下の色がにじんで混ざる。水彩画では当然のことだが、このような水彩画の特徴をしっかりと再現している。もちろん、色が途切れないようにしたり下の色と混ざらないようにオプションウィンドウで設定することも可能だ。

筆につける絵の具や水の量は、オプションウィンドウのスライダで調節できる。にじまない絵の具を設定することも可能だ

 筆の太さも多彩に用意されている。デフォルトで筆先の設定アイコンが12種類あるが、オプションウィンドウの筆先の表示をドラッグすることでも変更できる。平筆では向きによって太さが変わってくるが、この角度もドラッグで調節できる。もちろん筆圧にも対応しており、水彩画ならではの微妙な表現を可能にしている。

筆の太さや形状、向きはツールパレットで設定できる。また、オプションウィンドウ左側で、ドラッグによって設定変更することも可能だ

 実際の書き味は秀逸で、いたずら書きをするだけでも楽しめる。全体の表示を拡大、縮小できるので、距離を置いて絵を眺めたり、拡大して細部を描き込むことも可能だ。また、虫めがねツールを使用すると、選択した部分が別ウィンドウで拡大表示される。画像を回転させる機能もあるが、タブレットPCではあまり必要なさそうだ。「元に戻す」機能は1動作ごとに行うことができ、その回数はオプションメニューの「各種設定」で1回から10回まで指定できる。

とにかく設定をいじりながら絵を描いてみよう。水彩画ならではの難しさも再現されている


虫眼鏡ツールを選択すると、選択範囲が別ウィンドウで拡大表示される。細かい部分の描き込みや修正に便利なツールだ

[吉澤亨史, ITmedia ]

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