北海道内の高速道、節電のために一部の融雪装置を停止エネルギー管理

東日本高速道路(NEXCO東日本)の北海道支社は、今冬の節電対策として高速道の融雪装置を一部停止することを明らかにした。さらに照明の一部消灯することや空調温度を低く設定することで、消費電力を2010年度比で7%節約する。

» 2012年11月27日 13時00分 公開
[笹田仁,スマートジャパン]

 NEXCO東日本北海道支社によると、冬季に道内の高速道路で消費する電力量は最大で夏季の4倍以上になる。さらに、冬季の消費電力の6割以上を融雪装置(ロードヒーティング)に消費している。

 今冬は北海道の電力供給量が不足する可能性が、過去に例がないほど高い。NEXCO東日本は非常事態とも言える今冬の節電対策として、初めて融雪装置を一部停止させることを決めた。融雪装置を停止させる期間は、2012年12月1日〜2013年3月31日の予定だ。

 停止させる部分は高速道路の入口と出口(図1)。まず、融雪装置を動作させる範囲を縮小する。料金所のレーンが複数ある場所では、一部のレーンを閉鎖し、そのレーン周辺の融雪装置を停止させる。

 可能な場所では一部の入口を閉鎖し、その周辺の融雪装置を停止させる。入口を一部閉鎖したところでは、開いている入口でETC車と一般車の両方を受け付けるようにする。NEXCO東日本は、融雪装置を停止させる部分は除雪作業や凍結防止剤の散布によって安全を確保できる場所に限るとしている。さらに、サービスエリアやパーキングエリアに設置してある融雪装置も一部停止させる。

図1 融雪装置を停止させる場所。可能な部分で融雪装置を動作させる範囲を縮小させ(左)、一部の出口を封鎖し、その周辺の融雪装置を停止させる(中)。一部の入口を閉鎖し、その周辺の融雪装置を停止させる(右)

 NEXCO東日本北海道支社では融雪装置を一部停止させるほかに、執務室や駐車場の照明を減らしたり、空調の設定温度を20℃とするなど、今まで取り組んできた節電活動を継続することによって、消費電力を2010年度比で7%削減するとしている。

 停電が発生しても、可能な限り自家発電設備を稼働させて電力を供給する。その場合、高速道路の走行には支障はないが、サービスエリアなどの施設の一部が停電となる可能性がある。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.