信頼性を高めたメガソーラー、那須で2MW自然エネルギー

資金があればどの企業でもメガソーラーに取り組むことができる時代になった。だが信頼性の高い、不具合に強いメガソーラーを作るには小規模であっても太陽光発電システムを計画し、施工し、運営した経験の助けが必要だ。

» 2013年05月13日 07時00分 公開
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 鹿島は2013年5月、売電事業を目的とした初のメガソーラーを栃木県那須町に建設すると発表した。

 同社が運営する「那須ちふり湖カントリークラブ」に隣接する自社の遊休地3haに、出力約2MW、年間予想発電量約200万kWhのメガソーラーを建設する(図1)。2013年4月に着工しており、2013年内に発電を開始する予定だ。

 運営・維持管理は鹿島建物総合管理とネクストエナジー・アンド・リソース(以下、ネクスト)が担当する。メガソーラーに用いる太陽電池モジュールもネスクトが製造する。「ネクストは、太陽電池モジュールのリユース事業を2005年から手掛けている。このため、同社の太陽電池モジュールは信頼性が高いと考えて採用した」(鹿島)。ネクストによれば、同事業は世界でも最も初期に開始したものだという。

図1 那須ちふり太陽光発電事業。出典:鹿島

 今回に至るまで、太陽光発電システムについて経験を積んでいることを鹿島は強調している。既に1990年代から他社向けの太陽光発電システムの施工に取り組んでおり、2009年からは自社の建設現場の仮設事務所の屋根に太陽電池モジュールを設置して事務所内で利用する「鹿島"現場deソーラー"プロジェクト」を始めているからだ。特に耐久性評価や不具合対応などのノウハウを蓄積しているという。

 那須ちふり太陽光発電事業では、単なる売電にとどまらず、今後の他社向け提案に適用できるノウハウや技術を取り込んだという。計画段階から設計、施工、運営に至る幅広いものだ。

 例えば、電力会社との間で取り交わす系統連系に関する協議や、地形に合わせた太陽電池モジュールの最適配置とモジュールの選定方法、発電量予測シミュレーションなどである。風洞実験の実証データに基づいた、信頼性と低コストを両立させた独自の基礎・架台の検討も行う。運用時には太陽電池モジュールの故障診断や発電状況のモニタリングを遠隔で行うことができる新たな監視システムを導入するという。

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