九州最大のメガソーラー、複数技術を採用して13.5MW出力自然エネルギー

一段落していた電力会社グループによるメガソーラー計画。今後は電力会社も遊休地を利用したメガソーラー計画を加速する。2013年5月には、九州電力の遊休地を利用した九州最大のメガソーラーが完成した。

» 2013年05月15日 09時00分 公開
[畑陽一郎,スマートジャパン]
図1 大村メガソーラー発電所の位置

 キューデン・エコソルは2013年5月13日、「大村メガソーラー発電所」(長崎県大村市、図1)の営業運転を開始したと発表した。出力は13.5MWであり、九州地方では最も大きい。

 大村メガソーラー発電所の年間予測発電量は1390万kWh。九州電力に全量売電する。年間の売上高として約5億5000万円を見込む。

 キューデン・エコソルは九州電力の100%子会社だ。これまでは地方公共団体や公共施設、企業などに向けて、1MW以下の太陽光発電システムを導入してきた。

 今回の発電所は、同社のメガソーラー発電事業の第1号である。今後のメガソーラー事業で利用する技術を改善するため、2つの工夫を盛り込んだ。まず、直流側の電圧を750Vに高めて、損失を減らした。

 もう1つは複数技術の並列導入だ。大村メガソーラー発電所の敷地は2カ所に分かれている(図2)。第1発電所(出力3MW)にはソーラーフロンティアが製造したCIS化合物薄膜太陽電池を使用。第2発電所(出力10.5MW)では三菱電機が製造した単結晶シリコン太陽電池を用いた。第1発電所と第2発電所は基礎・架台の工法も変えた。同一地点で2種類の太陽電池モジュールや工法を採用し、実績を比較することで、ノウハウ獲得を狙う。

 大村メガソーラー発電所の敷地面積は約20万m2。九州電力の所有地を用いた。1957年から2004年まで国内産の石炭を使う大村発電所が置かれていた土地であり、2012年8月に今回の発電所を着工したものだ。

図2 大村メガソーラー発電所。出典:キューデン・エコソル

 同社はメガソーラー事業の第2弾となる計画も発表している。長崎県佐世保市にある九州電力の遊休地を利用し、出力10MWの「佐世保メガソーラー発電所」を建設する。2013年度末に営業運転を開始する計画だ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.