「初めて」づくしの巨大メガソーラー、長崎県に建設自然エネルギー

ドイツ企業が日本国内に建設を予定するメガソーラーは特色のあるものになりそうだ。規模が国内最大、海底送電ケーブルで離島から本土に送電など、他社の計画にも影響を与えそうな内容だ。

» 2013年04月17日 07時00分 公開
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 離島に巨大なメガソーラーを建設し、海底高圧ケーブルで本土に送電する。これまでにないタイプのメガソーラーが立ち上がりそうだ。

 計画したのはドイツの太陽光発電事業者Photovolt Development Partnersだ。同社はドイツやイタリア、スペインに13のメガソーラーを建設した実績のある企業。

図1 九州北部と宇久島

 九州西部の五島列島の北端、宇久島(長崎県佐世保市)に出力475MWのメガソーラーを建設する(図1、図2)。宇久島は面積約25km2の起伏のある島だ。メガソーラーは複数のブロックに分かれた形で建設する。約50km東に離れた本土との間を、抵抗損失の小さい高電圧直流送電(HVDC)ケーブルで接続し、九州電力に売電する計画だ。買取期間として20年を予定する。

 経済産業省の認可(再生可能エネルギー発電設備認定申請書)を受けた企業は、日本国内にあるTeraSolで、2015年から2016年にかけて発電開始を予定している。

図2 宇久島の建設予定地の1つ。出典:Photovolt Development Partners

 ドイツは太陽光発電システムの導入量が政府の長期計画で定めた量に達する見込みであり、固定価格買取制度の後押しがあまり必要ない状態に至っている。このため、現在の買い取り価格は17ユーロセント(1ユーロ130円換算で、22.1円)にまで低減している。Photovolt Development Partnersは、ドイツよりも買取価格の高い日本に着目したと考えられる。

 同社は宇久島以外にも国内8カ所で合計450MWものメガソーラーを計画中だ。北海道、宮城、福島、栃木、千葉、滋賀、広島、熊本への立地を予定する。完成予定は宇久島よりも早く、2014年から2015年にかけて送電を開始する予定だ。宇久島と合わせると合計925MWものメガソーラー群が完成することになる。

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