太陽光のモニタリングシステムを無償提供、ドイツSMA蓄電・発電機器

パワーコンディショナの開発・販売に取り組むドイツSMA Solar Technologyは、パワーコンディショナから得た情報を用いて太陽光発電システムの状態を閲覧・監視するシステムを日本語化し、提供を開始した。

» 2013年06月19日 11時00分 公開
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 ドイツSMA Solar Technology(SMA)の日本法人エス・エム・エイ・ジャパンは2013年6月、自社の太陽光発電向けモニタリングシステムを日本語化したと発表した。同社は太陽電池モジュールから送られてきた直流電流を、系統や家庭内で利用可能な交流電流に変換するための機器、パワーコンディショナの総合メーカーだ。2010年時点では世界シェアが4割に達している。

 同社のモニタリングシステムは、メガソーラー用を含む産業用と、住宅用に分かれている。産業用では発電所が遠隔地にある場合や、複数のシステムを監視する必要があるなど、住宅用とは異なるニーズがある。そこで、オンラインベースの「Sunny Portal」で発電所をモニタリングする手法を採った。

 Sunny Portalには、既に全世界で11万7000カ所の太陽光発電所が登録されており、15万人以上のユーザーがWebブラウザやスマートフォンを経由してログイン、利用しているという。

 積算発電量や売電量、日照計などのデータを確認できる他、レポートの形式で自動送信も可能だ(図1)。障害発生時に自動メール送信する機能もある。同一発電所内の複数のパワーコンディショナの出力情報を常時監視し、比較結果が大きく異なるときに自動メール送信するといった、必ずしも障害ではない場合の監視設定も可能だ。

 産業用ならではの機能として、増設した太陽光発電所を従来の発電所とまとめて登録・管理する機能や、閲覧するユーザーの権限を4段階に設定する機能もある。閲覧ページのカスタマイズも可能だ。

図1 Sunny Portalの画面例。出典:SMA

 Sunny PortalはSMAのパワーコンディショナを採用した発電所であれば、登録、無償利用が可能だ。発電所側に専用ハードウェアを設置することで動作する。「Sunny Portal Web Box」や「Sunny Home Manager」「Cluster Controller」などのハードウェアと連携できるという(図2)。

図2 対応ハードウェアとの通信状況を表示した画面。出典:SMA

 住宅用の「Sunny View」は産業用とは発想が異なる。タッチパネル操作が可能なタブレット型の専用ハードウェアを利用して発電情報などを閲覧できる(図3)。SMAのパワーコンディショナを設置している住宅で利用でき、パワーコンディショナとはBluetoothで接続する。最大100mの通信が可能だ。

図3 Sunny Viewの表示画面例。出典:SMA

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