大規模なメガソーラーの建設計画が相次ぐ愛知県の田原市で、完成すれば国内最大になる81MWのプロジェクトが8月から工事を開始する。臨海にある98万平方メートルの産業用地に建設するもので、2014年度中に稼働する予定だ。年間の発電量は一般家庭で2万5000世帯分に達する。
太陽光発電の導入量が全国で第1位の愛知県にあって、三河湾に面した田原市は日射量と風況に恵まれ、メガソーラーと風力発電所の適地として注目を集めている。発電所の建設プロジェクトが続々と始まる中で、最も規模が大きいのは「たはらソーラー」である。湾岸の2カ所の土地に81MW(メガワット)の太陽光発電設備を建設する計画だ(図1)。
愛知県の企業庁が開発した産業用地の「田原1区」と「田原4区」の一部を利用するもので、隣接する三井化学の所有地でも50MWのメガソーラーと6MWの風力発電所を建設する計画が進んでいる。
たはらソーラーは2013年8月から工事を開始することが決まり、発電設備の規模も確定している。田原1区に建設する「第一発電所」が40.2MW、田原4区の「第二発電所」が40.9MWになる(図2)。2カ所とも2014年度中に運転を開始する予定だ。年間の発電量を合計すると約9200万kWhになり、一般家庭で2万5000世帯分の電力使用量に相当する。
三菱商事と中部電力グループのシーテックが共同で設立した「たはらソーラー合同会社」が事業主体を務め、愛知県と田原市から用地を賃借する。総事業費は200億円以上になることを想定して、8割程度をプロジェクトファイナンスで調達する方針だ。メガソーラーの建設は東芝プラントシステムが請け負う。
国内で建設計画が決まっているメガソーラーの中では、「鹿児島七ツ島メガソーラー発電所」が2013年秋に70MWの規模で運転を開始するほか、岡山県の瀬戸内市では2018年をメドに230MWの巨大なメガソーラーを建設する計画が進んでいる。たはらソーラーが2014年度中に完成すると、鹿児島七ツ島を抜いて国内最大のメガソーラーになる可能性が大きい。
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