製鉄会社の遊休地にメガソーラー、8カ所に39MWを建設スマートファクトリ

鉄鋼業を中心とするJFEグループが全国の遊休地にメガソーラーを拡大中だ。グループ会社のJFEエンジニアリングが初のメガソーラーを三重県の事業所内で稼働させた。さらに2014年10月までに合計8カ所で相次いでメガソーラーの運転を開始する計画である。

» 2013年07月30日 11時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 JFEエンジニアリングが三重県の津市で「雲出(くもず)ソーラーパワー」を7月25日に稼働させた(図1)。自社の津製作所内の遊休地に建設したもので、発電能力は3MW(メガワット)ある。年間の発電量は300万kWhを見込んでいて、8月1日から全量を中部電力に販売する。

図1 「雲出ソーラーパワー」の全景。出典:JFEエンジニアリング

 津製作所はJFEエンジニアリングの橋梁事業などを担う生産拠点である。大手の鉄鋼業は全国に広大な敷地の事業所を数多く保有しているが、最近は事業構造の転換などにより遊休地が増えている。JFEエンジニアリングは津製作所のほかにも、宮城県の多賀城市と静岡県の静岡市にある社有地でメガソーラーを建設する計画である。

 さらにグループ会社のJFEスチールが保有する2カ所の土地(岡山県倉敷市と栃木県芳賀町)を含めて、全国8カ所でメガソーラーの建設を進めている(図2)。2014年10月までにすべてのメガソーラーが運転を開始する予定で、合計すると39.4MWに達する見込みだ。年間の発電量は3890万kWhになり、一般家庭で1万世帯以上の電力使用量に相当する。

図2 JFEエンジニアリングのメガソーラー発電事業(100%出資会社による)。出典:JFEエンジニアリング

 鉄鋼業では最大手の新日鉄住金グループが火力発電やバイオマス発電を積極的に拡大している。2番手のJFEグループは太陽光発電のほかに地熱発電の開発にも取り組むなど、再生可能エネルギーの事業化に注力する。

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