a.東北電力 c.中部電力 e.九州電力
ガスの小売自由化は電力よりも5年早く、1995年から始まっている。現在までに200社以上が小売市場に参入しているが、事業規模の点では上位4社が圧倒的に大きい。最大手の東京ガスは約1000万の顧客を抱えていて、電力会社で3番目に大きい中部電力を上回る(図1)。
第2位は大阪ガスで顧客数は約700万、第3位は中京圏の東邦ガスで約230万、次いで第4位が九州北部で事業を展開する西部ガスの約110万、といった順番になる。この中で大阪ガスと中部電力が米国からのLNG(天然ガス)の輸入で共同歩調をとるなど、合従連衡の動きも始まっている。
一方で売上高を比較してみると、ガス会社の規模は小さくなる。東京ガスの売上は九州電力よりも少なくて、6番目に相当する(図2)。顧客あたりの売上では電力会社のほうが優位にあり、本来は事業効率が良いはずである。それにもかかわらず各社が赤字に苦しんでいるのは、まだまだ無駄が多いということだろう。
家庭を含む電力小売の全面自由化が2016年に実施されるのと並行して、ガスの小売についても全面自由化の議論が始まった。電力会社がガスの小売事業を拡大する動きもある。いよいよ電力会社とガス会社が本格的に競争する時代を迎える。
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