地熱で最大級の発電所、2019年に秋田県で運転開始へ自然エネルギー(2/2 ページ)

» 2014年04月03日 09時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]
前のページへ 1|2       

温泉や有害ガスの影響防止策も

 地熱発電所を建設するにあたっては、環境に対する影響の評価が欠かせない。地下から蒸気と熱水をくみ上げることによる温泉や地盤への影響のほか、硫化水素などの有害なガスを排出することによる大気や水質への影響が懸念される。そのため地中にセメント層を設けて温泉や地盤への影響を防止する一方、有害な硫化水素は発電設備の冷却塔の中で空気と混合して濃度を薄める対策を講じる(図3)。

図3 発電設備の構成。出典:湯沢地熱

 今後は地元の住民や自治体から意見を集約したうえで、最終的に「環境影響評価書」を作成して再び経済産業大臣に届け出なくてはならない。そこで評価書の認可を受けて、ようやく建設工事を開始することができる(図4)。通常は準備書の手続きに9カ月程度、評価書の手続きに1カ月程度かかるため、大きな問題が生じなければ1年後には着工できる見込みだ。

図4 環境影響評価のプロセス。出典:湯沢地熱

 現時点で明らかになっている地熱発電の開発計画の中では、この山葵沢のプロジェクトが最も先行して進んでいる。予定通りに工事を開始できると、他のプロジェクトや新規の開発計画を促進することにもつながる。

*この記事の電子ブックレットをダウンロードへ

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.