電力会社すべて6月の販売量は前年割れ、値上げした地域で企業向けが減る電力供給サービス

需要が増加する直前の2014年6月に電力会社が販売した電力量は軒並み前年実績を下回った。最大の減少率は沖縄の5.0%で、次いで四国の4.6%、北海道と九州の3.0%である。気温が低めに推移して冷房の使用量が減ったことに加えて、企業向けでは電気料金の値上げも影響を与えている。

» 2014年07月31日 15時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 2014年6月の販売電力量は10社合計で前年よりも1.7%少なかった。家庭や商店など小規模の利用者の需要は全地域で減少する一方、企業を中心とする特定規模の需要では地域による差が顕著に表れた。東北・中部・北陸・中国・沖縄の5地域は前年を上回っている(図1)。このうち北陸・中国・沖縄は震災後も電気料金を値上げしていない。特にコストに敏感な企業向けの販売量に値上げの影響が見てとれる。

図1 電力会社10社が2014年6月に販売した電力量の対前年伸び率。出典:電気事業連合会

 全体で最も大きく販売量が減った沖縄だが、企業向けは前年6月よりも2.8%増えていることから、家庭向けの減少は天候によるものと考えられる。一方で四国は家庭向けが4.0%減、企業向けも4.9%減で、いずれも大きく落ち込んだ。2013年9月に実施した電気料金の値上げが影響していることは間違いない。

 同じ時期に値上げを実施した北海道も家庭向け・企業向けともに3.0%減少した。東北だけは企業向けが0.4%の増加になり、値上げの影響は小さかった。直近の2014年5月に値上げした中部も企業向けは0.6%の増加だった。

 このほかで減少率が大きかったのは、2.7%減の関西と3.0%減の九州である。家庭向けと企業向けの両方で販売量が前年を下回った。両社ともに2013年5月に値上げを実施している。いち早く2012年9月に値上げに踏み切った東京は0.8%減にとどまった。

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