チューリップを再現、化学の明かりLED照明

コニカミノルタはハウステンボスと共同で「光る有機ELチューリップ」を開発した。薄く、軽く、曲がるという樹脂基板フレキシブル有機EL照明パネルを約1万5000枚用いた展示を見せる。

» 2015年01月05日 09時00分 公開
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 オランダの町並みを生かしたテーマパークである「ハウステンボス」(長崎県佐世保市)。オランダといえばチューリップ。毎年春に開催される「チューリップ祭」では数百種類、数十万本のチューリップを楽しむことができる。

 今年は生のチューリップに加えて、フラワーイルミーションも展示する予定だ(2015年2月14日〜同4月13日)。約5000本の「光る有機ELチューリップ」(図1)を用いた「光のチューリップガーデン」(図2)を作り上げる。チューリップの花は3枚の花弁(花びら)からなるため、花ごとに3枚、合計約1万5000枚の有機EL照明パネルを使用する*1)。有機EL照明を用いたフラワーイルミネーションは世界初だという。

*1) 大量に栽培されているチューリップの花には花びらが6枚あるように見える。このうち本来の花弁は3枚(内側)であり、残りの3枚(外側)は花弁を包む萼(がく)だ。

図1 「光る有機ELチューリップ」の外観 出典:コニカミノルタ
図2 「光のチューリップガーデン」のイメージ 出典:コニカミノルタ

 有機EL照明パネルは、点光源を用いるLED照明とは異なり、パネル全体(面自体)が光る。鋭い光のLEDに対して柔らかい光が特徴だ。面光源という有機EL照明の特性を生かした展示だといえるだろう。

 今回の有機EL照明パネルを製造したのはコニカミノルタ。同社は樹脂基板上に有機EL層を形成し、薄く、軽く、曲がるパネルを実現した。チューリップの曲線にもよく合致する。ハウステンボスと共同で光る有機ELチューリップとして共同開発した。

 同社は2014年3月にコニカミノルタ甲府サイト(山梨県中央市)に樹脂基板フレキシブル有機EL照明パネルの量産工場を立ち上げ、2014年秋から量産を開始すると発表している。生産方式は量産に向くロール・ツー・ロール方式。

 「今回のチューリップ祭に供給するパネルはこの量産品を用いる」(同社)。同工場では白色(150×60mm)と調色(50×30mm)の2品種を製造しており、いずれも曲率半径は10mmだ。「白色優先で製造している」(同社)。

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