デンマークの風力発電事業者の団体であるDWIAは2015年1月12日、2014年の年間発電量のうち、39.1%を風力発電が占めたと発表。1国としては世界記録に当たる。2014年1月には月間の発電量の61.7%を賄った。
デンマークの風力発電事業者の団体であるDWIA(Danish Wind Industry Association)は、2015年1月12日、同国の風力発電が世界記録を樹立したと発表。2014年の総発電量に占める風力発電の比率が39.1%にまで高まった。
2013年の風力発電の比率は33.2%。今回さらに5.9ポイントも記録を伸ばした形だ。2013年に導入された大規模風力発電所として、例えばアンホルト洋上風力発電所(出力400MW)がある(図1)。これは英国のLondon Arrayに次ぐ規模だ(関連記事)
風力への依存度をどこまで高めることが可能なのか。ここでも記録を樹立した。2014年1月には月間の消費電力の61.7%を風力が賄った。
デンマークはもともと従来型のエネルギー資源に乏しく、原子力発電も導入していない。1970年台に至るまでは石油火力を主体とした発電に依存していた。その後、北海油田の開発により石油の自給率が100%を突破。ところがデンマークが権利を持つ北海油田は規模が小さく、1980年代には輸入石炭による発電へと移行した。
国際エネルギー機関(IEA)の統計資料(1971〜2009年)からは、デンマークの電源構成の変遷がよく分かる(図2)。例えば1990年には石炭火力(紫色)の比率が95%を超えている。いずれにせよ1990年代後半までは石油(赤色)などの化石燃料への依存度が常に9割を超えていた。
変化が起こったのは1997年以降だ。風力(緑色)とバイオマス(薄緑色)の比率がじりじりと高まっていく。これが今回の記録へと向かう道のりだ。
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