九州最大のメガソーラー着工、発電能力96MWで2018年に稼働自然エネルギー

宮崎市にあるゴルフ場の建設予定地が巨大なメガソーラーに生まれ変わる。140万平方メートルの広大な用地に30万枚の太陽光パネルを設置して、発電能力が96MWに達するメガソーラーを建設する計画だ。2018年の春に運転を開始する予定で、3万3000世帯分の電力を供給することができる。

» 2015年04月01日 13時00分 公開
[石田雅也スマートジャパン]

 九州で最大のメガソーラーを建設する場所は宮崎市のほぼ中央にあって、周辺は山林で囲まれている(図1)。もともとゴルフ場を建設する予定だった140万平方メートルの土地を転用した。発電能力は96.2MW(メガワット)に達して、現時点で国内最大の「大分ソーラーパワー」(82MW)を上回る。

図1 「細江太陽光発電所」の完成イメージ。出典:日本GE

 このプロジェクトは米国系の発電事業者2社が共同で実施する。GE(ゼネラルエレクトリック)グループのGEエナジー・ファイナンシャル・サービスとバージニア・ソーラー・グループのパシフィコ・エナジーが事業者である。すでに3月30日に建設工事を開始して、2018年の春に運転開始を予定している。

 年間の想定発電量は公表していないが、太陽光発電の設備利用率(発電能力に対する実際の発電量)の最新の標準値14%で計算すると1億1800万kWhになる。一般家庭の使用量に換算して3万3000世帯分に相当する。2012年度に固定価格買取制度の認定を受けていることから、1kWhあたり40円(税抜き)の買取価格を適用できて、年間の売電収入は47億円にのぼる見込みだ。

 太陽光パネルは約30万枚を設置する。中国系の大手パネル・メーカーであるトリナ・ソーラー社の製品を採用した。発電した電力を直流から交流に変換するパワーコンディショナーには、GE製の「ブリリアンス・ソーラー・インバータ」を使う(図2)。1台で1.26MWの出力がある機種50台を配置して、最大63MWの電力を送配電ネットワークに供給することができる。

図2 パワーコンディショナーの「ブリリアンス・ソーラー・インバータ」。出典:米GE

 すでにGEグループは岡山県で3件のメガソーラー・プロジェクトに着手している。瀬戸内市では日本最大の231MWのメガソーラーを建設中だ(図3)。宮崎市のプロジェクトと同様に自社製のパワーコンディショナーとトリナ・ソーラー製の太陽光パネルを組み合わせて、2019年の第2四半期(4〜6月)に運転を開始する計画である。

図3 「瀬戸内Kirei太陽光発電所」の完成イメージ。出典:GEエナジー・フィナンシャル・サービスほか

 そのほかの2件はパシフィコ・エナジーとの共同事業で、いずれもゴルフ場の跡地に建設する(図4)。宮崎市のプロジェクトを加えた4カ所の合計で発電規模は400MWに達して、日本国内で最大の太陽光発電事業者になる見通しだ。GEグループは全世界で2000MWに及ぶ太陽光発電事業に投資している。

図4 「パシフィコ・エナジー久米南メガソーラー発電所」(左)と「パシフィコ・エナジー美作武蔵メガソーラー発電所」(右)の完成イメージ。出典:パシフィコ・エナジー

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