総事業費1100億円で11月に建設開始、日本最大231MWのメガソーラー自然エネルギー

岡山県の瀬戸内市で計画中の日本最大規模のメガソーラーが11月に着工する。発電能力は231MWで、総事業費が1100億円の壮大なプロジェクトになる。米GEが60%を出資して2019年4〜6月に運転を開始する予定だ。パワーコンディショナーにはGE製の1MW級の最新機種を採用する。

» 2014年10月01日 13時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 瀬戸内海に面した500万平方メートルに及ぶ広大な塩田の跡地に、圧倒的な規模のメガソーラーが2019年に誕生する(図1)。岡山県の瀬戸内市にある「錦海(きんかい)塩田跡地」で日本最大のメガソーラーの建設工事が11月に始まることになり、プロジェクトの中核3社が計画の概要を公表した。

図1 「瀬戸内 Kirei 太陽光発電所」の完成イメージ。出典:くにうみアセットマネジメントほか

 発電能力は231MW(メガワット)に確定した。現時点で国内最大の「大分ソーラーパワー」(82MW)と比べて約3倍の規模になる。年間の発電量は一般家庭の電力使用量に換算して7万世帯を超えて、売電収入は年間100億円前後に達する見通しだ。運転開始は2019年の第2四半期(4〜6月)を予定している。

 発電事業を運営するのは特別目的会社の「瀬戸内 Kirei 未来創り合同会社」で、米GE(ゼネラルエレクトリック)が60%を出資するほか、建設を担当する東洋エンジニアリングが30%、プロジェクトを統括する「くにうみアセットマネジメント」が10%を出資する。

 総事業費は当初の想定(656〜861億円)を大幅に上回る1100億円を見込む。そのうち約900億円を三菱東京UFJ・みずほ・三井住友の3メガバンクが幹事銀行になるシンジケートローン(協調融資)で調達する。シンジケートには地元の中国・四国地方の金融機関が数多く参加する予定である。

 メガソーラーで発電した電力は全量を中国電力に供給する方針だ。電力を直流から交流へ変換するパワーコンディショナーには、GEの最新機種である出力1MW級の「ブリリアンス・ソーラー・インバータ」を日本で初めて採用する(図2)。このパワーコンディショナーは内部の変圧器が不要で、変換効率は最大で97.5〜98%になる。

図2 出力1MW級の「ブリリアンス・ソーラー・インバータ」。出典:GE

 建設予定地の「錦海塩田跡地」は1971年に塩田を廃止した後、2008年まで産業廃棄物の最終処分場として使われてきた。廃棄物処分事業の廃業を受けて瀬戸内市が跡地を取得して、2012年にメガソーラーによる再開発計画を決めた(図3)。事業者の競争提案により、くにうみアセットマネジメントを代表者とする連合体が選ばれてプロジェクトを進めている。瀬戸内市は20年間の貸付料として約100億円を得る。

図3 メガソーラーを建設する「錦海塩田跡地」の所在地。出典:瀬戸内市

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